20080408 日本経済新聞 朝刊




 米国の金融不安で資金調達がしにくくなった海外の金融機関や企業が、日本の個人マネーに注目し始めた。オーストラリアの銀行大手、オーストラリア・コモンウェルス銀行は、個人向けとしては四年五カ月ぶりとなる円建て外債(サムライ債)を四月末に発行する。為替リスクを負ってでも日本の投資家から資金を調達する動きが今後も広がる可能性がある。



 日興コーディアル証券で九日に募集を始める。発行額は四百億円、年限三年で利率は一・六―一・七%程度になる見込み。コモンウェルス銀の格付けはダブルA(スタンダード・アンド・プアーズ)。個人向けのサムライ債は、二〇〇三年十一月に米自動車大手のゼネラル・モーターズの金融関連会社であるGMACが発行して以来だ。



 個人マネーを狙った円建て外債の発行再開は、より着実に資金を調達したい海外の発行体と、低金利の中で比較的高い利回りを求める日本の個人投資家の思惑が一致した結果といえる。



 海外市場では米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に伴う信用収縮で、金融機関などが有利な条件で資金を調達しにくくなっている。相対的に、千五百兆円に達する日本の潤沢な個人マネーは安定した資金源となりつつある。



 国内では株価低迷の一方で預金金利や国内債の利回りがまだ低めだ。日興は円建てのうえ、利回りが高めのサムライ債に対する個人投資家の需要が強いとみて、今後も原則として毎月一本ずつサムライ債を募集していく方針を決めた。

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