20080329 日本経済新聞 朝刊


 保険と似た商品を販売する無認可共済の保険会社などへの移行期限が三月末に迫るなか、移行して四月以降も営業を続けるのは六十社前後にとどまりそうなことが二十八日、わかった。約四百三十あった無認可共済の八割超が廃業する。廃業する共済の加入者は保険会社などの商品に入り直したりする必要があるが、保険料が上がる場合も出てきそうだ。
 無認可共済は三月末までに保険会社かミニ保険会社(少額短期保険業者)への移行を申請しなければ、四月からは新契約を結ぶことが禁止され、原則一年以内に廃業しなければならない。
 二十七日までに移行が認められたのは保険会社がアニコム損害保険の一社、ミニ保険がいきいき世代(東京・新宿)、全管協共済会(東京・中央)など二十社。金融庁や財務局による審査次第で流動的な面はあるが、四月以降に移行が認められる団体を含めても保険会社が三―四社、ミニ保険が五十―六十社にとどまりそうだ。
 ミニ保険は商品に大幅な制約がある一方、保険会社より緩やかな条件で設立が認められるため、無認可共済の受け皿として期待されていた。ただ、多くの共済は人材や資金が不足しており、金融庁が求める法令順守体制やシステム構築に対応しきれなかった。
 廃業する共済は生損保やミニ保険の代理店として商品販売に特化したり、既契約の保険金支払いを終えてから会社を清算したりすることが多い。廃業にも財務局の承認が必要。家財共済のあさひ共済(東京・渋谷)は昨年十月で新契約の募集をやめ、廃業する。AIU保険の代理店になり、契約更新を迎えた加入者にはAIUの商品を勧めている。
 共済の契約は一―二年の短期が多く、基本的には契約中に共済が廃業して保障が切れるということはない。契約の期限切れ後に引き続き保険が必要な場合は生損保やミニ保険の商品に入り直す必要があるが、保険料は共済よりも割高なことが多い。共済には障害者など通常の保険には加入しにくい人の受け皿になってきた団体もあり、これらの共済の契約者が生損保の引き受け審査を通るかは不透明だ。
 保険会社やミニ保険に移行できた共済にも保険料の引き上げが目立つ。例えば、ペット保険のアニコム損保では、五歳の大型犬で保険料は共済時代より五―六割上がる。法令順守などのコストがかさむためだ。保険料の引き上げで経営の安定性は高まるが、契約者の負担は重くなる。
 ▼無認可共済 行政の監督や法律の規制を受けず、保険と同じような商品を売る団体のこと。一九九〇年代に急増し、賃貸入居者向けの家財共済、ペット共済、生命・医療共済などが多い。山岳遭難共済などユニークな商品もある。年間の保険料収入は二千億円程度とみられる。無認可なだけで違法ではなかったが、共済を隠れみのにした詐欺事件などが相次いだため、金融庁は二〇〇六年四月に保険業法を改正して規制を強化した。金融庁は〇六年九月に届け出させ、来月からは保険会社などに移行させる。都道府県民共済、JA共済、全労済などは法律に基づいている。




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