20080328 日経産業新聞



 大手食品メーカーがメタボリック(内臓脂肪)症候群の改善支援に商機を見いだそうとしている。ニチレイフーズは四月から、食事・運動など生活改善計画の作成を支援するサービスを始める。サントリー、日清オイリオグループなどは共同でメニュー提案などの販売促進に取り組む。四月から企業の健康保険組合などに指導を義務付ける新制度を追い風にする。



 ニチレイフーズは学術団体の国際生命科学研究機構(東京・千代田)とNTTデータの協力を得て、メタボ対策が必要な人向けに食事・運動面での生活改善計画の立案を支援する新システム「リズム10」を開発した。
 四月以降、業務提携先の大手健診センターを通じて保健指導対象者にリズム10を使った予防サービスを提供する。対象者はまず、食事・運動の内容や頻度に関するアンケート用サイトにパソコンで入力。回答内容を基に、医師らカウンセラーとの個別面談で生活改善目標を設ける。



 食事については魚介類、大豆製品、緑黄色野菜など積極的に取りたいものと、菓子、肉、アルコールなど摂取を控えたいものについて数項目を選択。運動は一日当たりの目標歩数を決め、万歩計で計測する。カウンセラーからの強制ではなく対象者の自発性に任せることで「実行段階での挫折を防ぐ」(石川裕一・健康価値事業部長)。



 対象者は食事・運動面での改善策の実施状況を定期的にパソコンで入力。データをカウンセラーと共有することで保健指導の効果を高める。新サービスは対象者一人当たり数千円程度の利用料を想定しており、すでに数社から受注した。初年度の売り上げは数億円規模を見込む。



 企業の垣根を越えて販促で協力するのはサントリー、日清オイリオ、日清製粉グループの日清フーズ(東京・千代田)の三社。日清オイリオの吉田禎之執行役員は「メタボの元凶と思われがちな揚げ物や発泡酒に、健康イメージを植え付けたい」と意気込む。



 四月から全国のスーパー二千店強の店頭で「食いしん坊応えん団」と銘打ち、三社の健康志向商品を組み合わせて店頭陳列する。サントリーは糖質ゼロの発泡酒「ゼロナマ」、日清オイリオは脂肪が付きにくいなどの効果がある食用油「ヘルシーリセッタ」、日清フーズは「から揚げ粉」を対象にする。



 店頭ではから揚げや発泡酒の写真を掲載したチラシなどを並べ、発泡酒を飲みながら揚げ物を食べるシーンを買い物客に提案。酒類、食用油、粉、精肉など各売り場で商品の露出度を高める。



 国の医療制度改革により、健保組合などは四月からメタボ対策として社員らの特定健診・特定保健指導の実施が義務付けられる。これをきっかけに企業や消費者によるメタボ対策への意識が高まるのは確実。いかにして収益に結びつけるか、メーカー各社の知恵が問われる。(青木拓生)
【図・写真】サントリーなど3社による共同陳列の店頭イメージ



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