20080317 日本経済新聞 朝刊

 外貨預金に資金が流入している。外国為替市場では米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題をきっかけに昨夏以降、円が対ドルで上昇。外貨が割安になり、個人の投資意欲が高まったためだ。金融機関も低迷していた外貨預金の獲得に再び力を入れ始めた。
 円相場は今月十三日、十二年ぶりに一ドル=一〇〇円の大台を突破。ここへきて円高・ドル安が一段と進み、一時九八円台で取引された。円が高い今のうちに、割安になった外貨で運用しようとする個人が増えている。
 三井住友銀行の二月末の外貨預金残高は昨年十二月末に比べ約三割増。増えたのは主に米ドル預金。「毎日十億円単位で残高が増えている」という。りそな銀行は三月に入って米ドル建て外貨預金の口座を開く個人が急増。三月一日から十三日までの開設数は二月一カ月間の約三倍に達した。
 日銀の調べによると、〇八年一月の個人による外貨預金の残高は四兆四千七百億円。前年同月に比べ九%増で、これは三年五カ月ぶりの高い伸び。昨年十二月にプラスに転じてから、資金流入に勢いがついている。
 割安な外貨を買おうという動きは、少ない手元資金で多額の外貨を売買できる外国為替証拠金取引(FX)でもみられ、「新規の口座開設の申し込みが通常に比べ三割ほど増えている」(マネーパートナーズ)という。
 金融機関も外貨預金の獲得に力を入れている。シティバンク銀行は外貨預金の金利を上乗せするキャンペーンを実施。
 ただ、昨年末や年初に外貨預金を始めた個人の中には、足元の円急騰で含み損が生じている人も多い。さらに円高が進めば損が膨らむおそれもある。

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