「恋の罪」
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2011年、日本映画(144分)、R18+
この映画、先日ブログで紹介した「東電OL殺人事件」にインスパイアされて製作されているそうです。
■■「東電OL殺人事件」を紹介したブログはコチラ■■
世紀末の渋谷区円山町ラブホテル街で女性の無残な死体が発見される。
その猟奇的殺人事件を追う刑事・和子(水野美紀)は、大学のエリート助教授・美津子(冨樫真)、人気小説家を夫に持つ主婦・いずみ(神楽坂恵)の存在にたどり着く。
この作品は、1990年代に日本で起きた「東電OL殺人事件」にインスパイアされたサスペンス。
しかし、事件そのものではなく女の本質に迫ってみたいというのが、メガホンを取った園監督の言葉だ。
この映画を観て、大きな疑問が胸の奥底に重くのしかかる。
女は、なぜ娼婦になるのだろうか?
とても返せない多額の借金があるからか…。
てっとり早くお金を稼ぎたかったからか…。
異常なまでの性欲の持ち主だったからか…。
すべての答えは、「No」である。
女は、多額の借金もなければ、お金に困っている訳でもなかった。
ましてや、異常な性欲に憑りつかれている訳でもなかった。
それでは、なぜ、女は娼婦になったのだろうか?
見知らぬ男たちに金で買われるという行為で、自分の居場所を見つけたかったのだろうか…。
再び会うことのない男たちに抱かれて、つかの間の悦びを感じていたのだろうか…。
その答えもまた、「No」であろう。
なぜ、女は娼婦になったのか?
頭が狂ってしまったからなのか…。
堕ちていくことに生きる実感を感じてしまったのか…。
すべての答えは、「No」である。
女の心は、どれだけ複雑なのだろうか?
いや、もしかしたら、至極単純なのかもしれない。
女にとって、娼婦とはいったい何だったのだろうか?
【劇中で朗読されていた詩】※一部を抜粋
帰途 / 田村隆一
言葉なんか おぼえるんじゃなかった
言葉のない世界
意味が意味にならない世界に生きてたら
どんなに よかったか
言葉なんか おぼえるんじゃなかった
日本語とすこしの外国語をおぼえたおかげで
ぼくは あなたの涙のなかに立ち止まる
ぼくは きみの血のなかに たったひとりで帰ってくる
田村隆一詩集 「言葉のない世界」より