イタリアの社会問題 | ローマの松の木の下で・・・

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最近イスラエルとパレスチナ間の戦争が勃発して話題になっている。

 

息子Sにとって、一時テルアビブで仕事をすることも候補に入っていたので、

本当に行かなくて良かったと思っている。

 

 

 

 

それとは別に、

毎年のように難民、移民がアフリカから舟に乗って海を渡ってくることが、

社会問題になっている。

 

 

去年はその数が10万人を突破した。

 

 

 

 

 

 

密航業者の斡旋が増加し、

旅費が今までよりさらに安くなり、

もっと気軽に来れるようになったことが、

増加に拍車をかけた。

 

 

イタリアはアフリカに近いため、

多くの難民、移民が渡ってくるが、

彼らの最終目的はイタリアではなく、

北ヨーロッパの経済的により豊かな国に移動することである。

 

 

でもEU諸国は受け入れを躊躇し、

フランスは拒否した。

 

 

 

アフリカから渡ってきた人々はシチリア島の南にある、

ランペドゥーサ島にまず到着する。

 

 

この島は海が綺麗で、以前は楽園のようなところだったが、

 

近年は移民、難民が島民の人口以上になって、

収容しきれず、

バス、飛行機、船などで他の場所の収容所に運ばれる。

 

 

 

 

 

島に溢れかえっている移民達。

 

 

 

丁度この時期、アフリカから渡ってきた男の子の実話が映画になり、

ヴェネチア映画祭で銀賞を取った。

 

 

 

マッテオ・ガルローネの

Io Capitano  ( 僕 キャプテン)という映画を見てきた。

 

 

 

ティーンエイジャー、セイドゥは

セネガルのダカールで貧しいながら、

母親と大勢の姉妹達に囲まれて楽しく暮らしていた。

 

 

従兄弟のムッサとヨーロッパでスターになることを夢見て、

アルバイトをしてせっせとお金を貯めた。

 

母親はヨーロッパに行くなんて自殺行為だと反対するが、

セイドゥは母親に内緒でヨーロッパに旅たつことを決意する。

 

 

まず長距離バスの終点で偽のパスポートを作成。

作成業者に大金を支払ったあと

パスポートコントロールの係員にパスポートが偽であることがバレ、

賄賂金を没収される。

 

そのあとトラックに乗り換え砂漠を横断するが、

途中で下され、

ガイドについて徒歩でサハラ砂漠を横断する。

 

 

 

 

 

 

おばさんや体力のない人々は脱落していく。

 

そして途中で多くの死体を見かける。

 

国境や船の出発点リビアなどでコントロールがある度に

お金を巻き上げられていく。

 

そして監獄のようなところに送られ、

実家の連絡先を白状するまで

実家からお金を巻き上げようとするマフィアに拷問される

 

セイドゥは奴隷として売られるが、親切なおじさんに助けられ、

自由になり、

船でヨーロッパに渡ることになる。

 

持ち金があまりなかったが、

船のキャプテンになることを条件に、(未成年だと罪にならないので)

ヨーロッパ行きが実現する。

 

 

 

 

 

アフリカからイタリアまでの航海は、

天候が悪くて船が遭難したり転覆したりして

今まで多くの人の命が失われた。

 

 

あと船に乗るまで、命辛々の長旅をしなければならない。

 

 

それでもサハラ以南のアフリカから渡ってくる人たちが絶えない。

 

 

アフリカから出発する前に規制すればいいんだろうけど。

警察は冒険者を追い返すのではなく、金をせしめたりするのに味をしめている。

 

 

 

解決がほとんど不可能な、難しい問題である。