リストのピアノと中浦ジュリアンと聖チェチリア | ローマの松の木の下で・・・

ローマの松の木の下で・・・

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娘ムームーの友人の勧めで、

ジャニコロにあるフィンランド文化会館を訪問した。(事前に予約する) 

 

 

訪問できる部屋は3つだけ。

 

 

図書室と、眺めがいいバルコニー(ガラス窓でしまっている) 

 

 

 

 

 

 

 

 

バルコニーから見えるローマの景色。

 

 

 

 

 

 

 

そしてピアノが置いてあるサロン。

 

 

 

 

フィンランド文化会館がある villa Lante al Gianicolo(ランテ邸)

16世紀に作られた貴族の館である。

 

 

19世紀に有名な考古学者の手に渡り、

彼の妻であるロシアの貴族、Nadine Helbigのサロンとなった。

 

 

彼女はクララ・シューマンやリストの弟子でもあり、

そのサロンにはグリーグ、トスティ、ブゾーニやルービンシュタインが通ったそうだ。

 

 

そこにあるピアノはリストが贈呈したプレイエルである。

 

 

 

 

ジャニコロの丘を下り、トラステヴェレを散歩した。

 

そしてサンタ・マリア・デル・オルト教会に入った。

 

 

 

 

 

 

 

なぜならここに日本人の司祭が祀られているからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は中浦ジュリアン。

 

 

2007年に聖人に次ぐ福者になった。

 

 

キリシタン大名の名代の天正遣欧少年使節の一人として、

1585年にローマ教皇と謁見した。

 

 

のちにキリスト教は禁教となり、

弾圧下に棄教を迫られたが拒絶。

 

 

1633年に穴吊るしの刑で殉教した。

 

 

穴つるしの刑というのは、

 

1m の穴にグルグル巻きにされて逆さつりにされる。

 

こめかみに穴を開けられ、

頭に下がってくる血液が少しずつそこから垂れ、

苦しみながら死んでいくという拷問だ。

 

 

 

そしてそのあと、

 

そこから200m ほど離れたところにある、

 

サンタ・チェチリア・イン・トラステヴェレ教会という、

 

 

音楽の聖人である、

 

聖チェチリアが祀られている教会を訪問した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祭壇の下にある、

 

カルロ・マデルノの サンタ・チェチリアの彫刻。

 

 

なんか変なポーズをしているが、

 

彼女はこんな格好で、首を斬られて亡くなったのである。

 

 

2世紀、古代ローマの貴族であったチェチリアは、

キリスト教に改宗して、

自宅をカタコンベ兼礼拝所として使用していたのを

総督に知られてしまい、

 

捕らえられ、

棄教するよう蒸し風呂の刑を科されたが、

苦しまなかったので、

 

首を切りつけられ、

3日間苦しんだ挙句、殉教した。

 

 

私もキリスト教徒だが、

 

そんな苦しい目にあったらすぐ棄教して、

 

そのあと、神様 ごめんなさいと泣く、

 

どうしようもない弱虫信者になるだろう。

 

 

そしてこの二人の殉教者の爪のアカを食べる資格もないだろう。

 

 

なんて偉いんだろうと、

 

全くこのような殉教者たちに頭が下がる一方なのである。

 

 

 

 

 

 

でもサンタ・チェチリア教会を訪ねた理由は、

 

この殉教者をお参りするのではなく、

 

カヴァッリーニのフレスコ画を見ることだった。

 

 

カヴァッリーニはジョットに多大な影響を与えた芸術家。

 

 

実家の本棚にあった、

イタリア留学経験がある父の本、

イタリア美術夜話(三輪福松著)に、

 

著者がローマでこの絵を見るために、

チェチリア教会に足繁く通う下りが書いてあり、

 

それがとても印象的であったので、見たいと思いつつ、

でもトラステヴェレのアクセスが悪く、午前中に行く機会がなかったので、

30年近くも経ってしまったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

カヴァッリーニの最後の審判。

 

 

 

 

 

 

平日なので、他に誰も来ていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お散歩のあと、食べに行ったお寿司と天ぷら。

 

 

 

 

 

 

 

シロヤにて。

 

 

ここの日本レストランは中国人経営だけど、

 

日本人の寿司職人さんが、目の前でお寿司を握ってくれる。

 

 

レベルは日本で食べる美味しいお寿司とあまり変わらない。