青空ミュージアム、Tor Marancia | ローマの松の木の下で・・・

ローマの松の木の下で・・・

好きなこと、気になることを気ままに書いていきたいです!

日曜日にオスティアに行ってきた帰り、

偶然、ストリートアートが素晴らしい、

Tor Marancia通りの集合住宅地の近くを通りかかったので、

見学してきた。

 

 

 

これは2015年の2月、世界中の20人以上のアーティストが、

エウルからオスティエンセの中間あたりにある、

Tor Marancia 通りの団地の外壁を

700 ℓ のペンキと 1000 ℓのスプレーを使って装飾したもので、

 

その レベルの高さは有料の美術館に匹敵すると思う

 

 

 

 

団地の入り口にある、このウェルカム・トゥ・上海は、

香港在住ベルギー人の作品だ。

 

この住宅地が上海と同じように、

何回も雨で浸水した為、このような絵が描かれた。

 

真ん中にあるのは、折り紙で折られたローマのシンボル、狼。

 

 

 

 

 

 

これはペンキを塗らず、

外壁の塗料を引っ掻いて削除しながら

創作したものだ。

 

 

 

 

 

そのすぐ隣にあるのはアルジェンチン人の作品。

 

その昔、アルジェンチンに多くのイタリア移民が海を渡って行ったので、

アルジェンチンとイタリアの関係をレスリングの絵で表している。

 

下でイタリアを支えているのが、アルジェンチンである。

 

 

 

 

 

同じく入り口にあったこの作品は、

パリのフランス人が描いたもの。

 

下に散らばっている色えんぴつで描いたはしごに

男の子がよじ登っている。

 

以前この団地の子供が、

サッカーで遊んでいる最中に死亡したことを回想させるもの。

 

男の子は十字架形をしていて、

頭の上には天を思わせる、スカイブルーの輪っかが見える。

 

 

 

これらの4つの作品は通りに面していて、

その間にある、小さな入り口を入っていくと、

中に集合住宅のエリアがある。

 

 

 

 

 

 

庭では子供連れの親子や、犬を放し飼いにしている人、

お年寄りなどがたむろしていて、

憩いのスペースになっていた。

 

 

住民でもない、我々家族が入って行っても、

見物人に慣れているのか、

不審な目で見る人はいなかった。

 

 

 

 

 

 

まるでキリコの作品を思い起こすようなシュールな絵。

 

ここに描かれているオレンジは

通りの名前、マランチャ(イタリア語でオレンジは、アランチャ)を連想させる。

 

そして浸水を思い出す魚が描かれている。

 

アメリカ合衆国のアーティストの作品だ。

 

 

 

 

 

 

ビザンチンの宗教画みたいな作品。

 

聖マリアと子供。

 

マリア様がローマの町で、

彼女に抱かれた子供がこの団地を表している。

 

 

 

 

 

 

まるで黒板にチョークで書いた絵みたいな、フランス人の作品。

 

 

 

 

 

多色の折り紙をばらまいたみたい。

 

イタリア人アーティスト作。

 

 

 

 

 

 

赤い靴を履いた女の子。

 

 

赤い靴は、イタリアでパートナーに殺された、

多くの女性被害者を象徴している。

 

 

 

 

 

最上階で外を眺めているおばあさんも、

アートに溶け込んでいる。

 

 

 

 

 

 

 

チェコの画家ミュシャを思わせる、アール・ヌーボー調の作品。

 

龍と魚は、上海を表している。

 

女性がダイアモンドを持っているのだが、

これは作者の名前を表している。

 

 

 

 

 

 

ベルリンのアーティストの作品。

 

 

 

 

 

 

ピカソみたいなこの絵は、オーストラリア出身アーティストの作品だ。

 

 

 

 

 

右にある太陽のはポルトガル人のもので、

古代ローマの太陽信仰をもじっている。

 

太陽は希望のシンボルだ。

 

 

 

左の建物にはVENI VIDI VINCIと書かれている。

 

古代ローマ皇帝シーザー(カエサル)が言った、

VEDI VIDI VICI から来ている。

 

最後の言葉VICIが、VINCIに書き換えられているのは、

 

ここにアンドレア・ヴィンチという、

小さい頃海の岩礁から落ちて、

体が不自由になった若者が住んでいるからだ。

 

 

 

 

 

これはイタリア在住のフィリピン人の作品。

 

 

システィーナ礼拝堂のミケランジェロの作品をもじったもの。

 

二つの手をはばまるのは桜の枝。

 

自然と人間との隔たりを描いたものだ。

 

 

 

今回見落としちゃったけど、

中国のアーティスト、アイウェイウェイの肖像画が描かれている建物なんかあったりして、

 

色々あって見飽きない。

 

この青空ミュージアムはホント、

 

アートに興味がある方に

是非オススメしたい場所である!