ブーイングを浴びまくった監督 | ローマの松の木の下で・・・

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昨日、ローマのオペラ座で、

カヴァレリア・ルスティカーナとパリアッチの2本立てオペラを見た。

 

 

前者はシチリア、後者はカラブリアが舞台になっている。

 

両方ともパートナーが姦淫を犯し、

最後には怒り狂った相手に殺されてしまうと言う、

3面記事に登場しそうなお話である。

 

このオペラの監督は、ちょっと奇抜な演出をしたのだが、

それが受けずに観客からブーイングをたっぷり浴びせられた!

 

最初、オーケストラが前奏曲を演奏し終わった後、

ピット席の前に一人の男が現れ、

 

こんばんは。

お邪魔しますが、私はこの劇の監督です。

 

と言う挨拶が・・・・

 

 

その後自分の個人的なお母さんとの思い出を語り始めた。

 

するとすぐ、誰かが、

 

Chi se ne frega!    そんなこと、どうでもいいよ!  

と叫ぶ。

 

監督はそれを無視して語り続けると、

再びその人はヤジを飛ばすので、

 

他の人たちが見かねて、

シ〜シィ〜〜と抑制した。

 

ところがこの監督、ちっとも引っ込まないで、

 

歌い手が歌ってる後ろで、

踊ったり、歩いたりしてとっても目障り!

 

 

挙げ句の果てには、かなり高齢の、

背中が曲がったヨボヨボのおばあさんを連れて歩いたり、

2つ目のパリアッチでは、ダウン症の人を連れて歩いたり、

おばあさんと一緒に踊らせたりした。

 

 

 

  

 

オペラのパンフレット。

 

椅子に座っているのが監督。

 

十字架を持っているのが、おばあさん。

 

 

2つ目のパリアッチでも再び前奏曲のあとで、

また同じことをするので、不満がある観客が増え、

それに阻まれて、

監督はお話を続けることができなくなった。

 

 

 

 

カーテンコールの時、

 

歌い手たちやオーケストラの指揮者は拍手喝采を浴びたが、

 

監督が出て来たとき、

 

ブ〜、ブゥ〜〜 のヤジが、劇場中に鳴り響いた!

 

 

一緒に来た娘のムームーもムカついたのか、

ブーイングに加算していた。

 

オペラは音楽、歌が主で、

それを生かす演出をしなければいけないのに、

 

これじゃまるで 監督が主役 だ!

 

オリジナリティを出そうとしてやったのかもしれないが、

完全に的が外れている。

 

ピッポ・デルボーノと言うこの監督、

今まで演劇ばかり手がけて来たので、

そのやり方は、オペラの観衆に受けなかったのだろう。

 

それにしても5日間の公演中、こんなにブーイングを受けて、

精神的にめげないのかな?

 

まさにマゾヒストじゃなければできないだろう。

 

とにかく、イタリアでは観客がこのように、

 

自分の意見を演劇中やカーテンコールに表現するから

面白いと思う。

 

 

一番シビアなのが、オペラの殿堂、ミラノのスカラ座。

 

マリアカラスもブーイングを受けたことがあるし、

 

ある歌い手など、ヤジを飛ばされた後、落ち込み、

劇を続けることができなくなってしまったこともある。

 

 

 

 

 

 

数日前に見たエウルの公園の桜。

 

ほとんどの桜が半分散ってしまっていて、

 

唯一満開だったのがこの木だった!

 

 

 

 

本物の植物を飾ったウィンドウ。

マックスマーラで。