マダム・フローレンス | ローマの松の木の下で・・・

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今月の初めに 「マダム・フローレンス!夢見る二人」

 という映画を見た。

 

フローレンス・フォスター・ジェンキンスという

大金持ちのソプラノ歌手の物語である。

 

ホントは七面鳥の喉をひねったみたいなすごい声の持ち主。

 

声だけでなく、高い方の音程も完璧に狂っている。

 

なぜか自分は歌がうまいんだと思い込み、

しょっちゅうコンサートをひらくんだけど、

お客さんはすべて夫がお金で買った人たちばかりなので、

批評も上々で、益々気を良くしてしまう。

 

時々彼女の歌を聞きに来た人の中には、

笑いが止まらなくて悶絶してしまう人も出てくる。

 

 

ある日マダム・フローレンスは

戦争に向かう兵士を慰安する目的で1944年、

クラシック音楽の殿堂カーネギーホールで

コンサートを開いてしまうが、

たまたま紛れ込んだ批評家が新聞に酷評を書いてしまう。

 

夫はなんとかマダム・フローレンスの目に入らないよう、

批評が書かれた新聞を買い占めるのだが、

彼女は偶然その記事を読んでしまう。

 

音楽だけを生きがいに、

梅毒持ち(最初の夫に移された)でもなんとか生きてきた彼女は、

それをきっかけに病気が悪化。

亡くなってしまう。

 

この映画を見て、

 

ばかには見えない布で作った洋服を着た 

「裸の王様」 を思い出した。

 

例えお世辞でも、みんながいいと言えば、

良くないものでも良くなってしまう。

 

あれだけ厳しいので有名だった、

イタリア人指揮者トスカニーニさえも

彼女の援助金目当てで、おべんちゃら使ってた。

 

このマダム・フローレンス。

ホントに実在していて、LPレコードまで残っているのだ。

 

 

 

映画で聞く歌声とそっくり。

 

あまりにひどくて、笑いが止まらなかった。

 

聞きにきた人の中にはお笑い女優と間違えた人もいたくらいだ。

 

そういえば昔イタリアで、音痴の人を歌わせて、

お客みんなに笑わせるという番組があったっけ。

 

 

 

主演は演技派メリル・ストリープ。

 

今回も彼女の演技がとても光っている。

 

夫役のヒューグラントもなかなかいい味だしてる。

 

 

ノッティング・ヒルのイメージが強かったから、

あれっ?

こんなにおじいさんになっちゃたの?と思ったけど、

化粧だったんだろうか?

それとも地でいってたのか、わからない。

 

メリル・ストリープもかなりおばあさん顔だったけど、

これはメイクアップだろう。

 

最近出演したローマ映画祭ではもっと若わかしかったからね。

 

この映画は笑えるだけじゃなく、

夫婦愛にじ~んとくるシーンもありで、なかなかいいと思った。