天国からの贈り物 最終話
「そうです。私がこれからいろいろ質問をしますから、旦那さんになって答えてください」
「私が夫になって質問に答えるんですか?」
「貴方なら旦那さんが誰かから質問をされた時に、どのように答えるのかという事を世界で一番よく知っている人なんじゃないですか?」
「はい。多分、そう思います」
「だったら、旦那さんになるのに貴方ほど適役な人はいないじゃないですか」
「はい... 」
「では準備をしましょう.、目を軽く閉じてみてください。深呼吸をして、力を抜いて... リラックスしてください... では孝之さんの心が貴方の中に入っていくと想像してください... 貴方はひとみさんの夫の孝之さんですか?」
「はっ、はい。そうです」
「では、孝之さん... 貴方は亡くなられたわけですが、今の奥さんやお子さん達を見てどんな感じがしますか?」
「とても辛い... 私が死んでしまったから家族が苦労をしている.... 」
「貴方も自分を責めているのですね?」
「はい、本当は自分が家族の面倒を見なくてはいけないのに... 責任を果たしていない... 」
「貴方は家族に生命保険のお金を残されたのですが、それをどのようにして欲しいですか?」
「私はもう家族に何もしてあげられない..... だから家族の為に使って欲しい」
「奥さんは看護婦さんになりたいと言っています。その為に保険金を使ってもいいですか?」
「もちろん!すばらしい事だ... 妻らしいと思います」
「解りました、ありがとうございました。もう奥さん自身に戻ってもイイですよ。よかったですね、旦那さん了解してくれたみたいですよ」
「はい... 」
「貴方の旦那さんがもし生きていて、同じような質問をしたとしても答えは一緒だと思いますよ」
「私もそう思います... 」
「それでは頑張ってイイ看護婦さんになってくださいね、及ばずながら私も応援しますよ。またいつかお会いしましょう、来ていただいて本当にありがとうございまいた」
あれからもう何年もたつのですが、彼女はりっぱな看護婦さんになりました。
子供達もそれぞれの夢に向かって歩き出し、とても元気に過ごしているそうです。
旦那さんは保険金だけではなく、奥さんに看護婦の仕事という生き甲斐と家族の笑顔を残していってくれたのです。
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最後まで読んで下さりありがとうございました♪
おわり