凍りついた感情 最終話 | 24時間テレビでドラマ化された心理カウンセラー長谷川泰三

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凍りついた感情


前回のつづき



カウンセラー
「許してください」



わたし
「誰を?親を?婆ちゃんを?」



カウンセラー


「やすぞうさん、あなた自身をですよ。今まで何があったのかはわかりませんが、郵便ポストが赤いのも自分のせいみたいに感じてる」



わたし


「・・・」



カウンセラー


「子供ってのは親の喧嘩でさえ自分のせいだと思っているところがあるんですよ」



わたし


「たしかに、母親からお前は夫婦喧嘩しているとき、いつもゴメンチャイって言ってたらしいです」



カウンセラー


「やすぞうさんは生まれる前に神様と約束してきたんじゃないですか?」



わたし


「何をですか?」



カウンセラー


「わたし、あそこに生まれる!そしてあの人たちを助けるんだ。そう思うからこそ、両親が喧嘩をしたときにやるべきことをしていないって思ったのかもしれませんね。だから自分を責めるんです」



わたし


「・・・」



カウンセラー


「もう、一人ぼっちの刑はやめませんか?あなたは自分を誰にも愛させようとしてきませんでした」



わたし


「父ちゃんが好きだった、愛して欲しかった、でも捨てられた。母ちゃんが好きだった、でも捨てられた」



カウンセラー


「愛してもらって、何て言いたかったのでしょうね」



わたし


「いっぱい、いっぱい、ありがとうって言いたかった」



カウンセラー


「本当はそのありがとうを、お父様、お母様だけに捧げたかったから誰にも助けを求めなかったんじゃないですか?」



わたし


「・・・」



カウンセラー


「今、やすぞうさんの心の中でお父様とお母様との絆が切れています。自分は迷惑で毒で役立たずだと思っているのでしょう。実は、ご両親もあなたと同じことを感じていたのですよ」



わたし


「父ちゃん、母ちゃんが?何で?」



カウンセラー


「ちょっと目を閉じて、子供のころを思いだしてください。ボロボロになっている、一人ぼっちのあなたです」



わたし


「はっ、はい」



カウンセラー


「どんな感じですか?」



わたし


「抱きしめてあげたい



カウンセラー


「それがご両親が感じていた感情です。今のあなたなら分かりませんか」



わたし


「ホンとにですか?」



カウンセラー


「自分は親として失格だ、と自分を責めていたのでしょう。あなたにとって自分が毒だと思ったのでしょう。自分がもし、エボラ出血熱にかかったならば、近くに愛している人を置きますか?」



わたし


「絶対近くに置きません。出来るだけ遠くに置きます」



カウンセラー


「そのとき、どんな気持ちになるのでしょう?」



わたし


「愛してあげたいのに、何もしてあげられない」



カウンセラー


「何もしてあげられない、役立たずという感情をあなたとご両親が同じように感じていたわけですね。感情は共鳴していた。私たちはそうやって、愛すれば、愛するほど、役に立てない自分を責める」



わたし


「親父にも何もしてやれず、最悪な形で死なせてしまった」



カウンセラー


「どうしてあげたかったんですか?」



わたし


「助けてもらって、いっぱいありがとうって言いたかった」



カウンセラー


「やすぞうさんもご両親を助けて、いっぱいありがとうって言ってもらいたかったんですね」



わたし


「そうかもしれません」



カウンセラー


「あなたがイメージでご両親の目になって、一人ぼっちで寂しがっている子供のころのやすぞうさんを見てあげてください」



わたし


「抱きしめたいけど、抱きしめられない」



カウンセラー


「愛している子供を抱きしめられない親の悲しさがわかりますか?」



わたし


「はい・・・悲しいです」



カウンセラー


「今、やすぞうさんは親の気持ちを理解できたようです。天国のお父様、そしてお母様になりかわって、ご両親が本当にしたかったことをしてあげませんか?」



両親からバトンをもらって、かわりに


その子を抱きしめてあげてはどうですか?



わたし


「はいっ、でも凍えて死にそうになってます」



カウンセラー


「聞いてあげてください。私の体はあったかいですかって」



わたし


「うん、ってうなずいてます」



カウンセラー


「その子は泣いてますか?それとも笑ってますか?」



わたし


「引きつった顔で笑っています」



カウンセラー


「では言ってあげてください」



泣きたいときには泣いてもイイんだよ。


きみはそうやって、いつも泣きたいときに作り笑いをしてきた。


わたしは知っている、だって私はあなたなんだから。



カウンセラー


「その子があったかくなって、あなたのあったかいハートの中へ解けて入っていきます。そしてその子はあなたの一部になるのです」



わたし


「いろんなことを思い出してきました。悲しいことだけじゃなく、楽しいこともあった」



そうだ、わたしは一人じゃなかったんだ!




最後まで読んでくれてありがとうございました。





【最後に】


年末が近づいてきましたね、私は正月トラウマ?ってのをもっていまして。


帰るところがないので、異常な孤独を感じてしまうのです。


おっさんになった今でもなおりません。


皆は帰る家がある、家族がある、でも私はずっと一人でいましたので、後遺症みたいなものでしょうか?


今年の正月は孤独を選ぶのではなく、誰かに自分を愛させることにチャレンジしてみようと思っています。



誰か私と『鍋』つつきませんか?



長谷川泰三