我がユースを今季、まだ未見だった。
そんな訳で、いぶきの森なうです
仕事でたまに通過するけど、久しぶりに来た。
まずは順位表をおさらいしましょう。
全18節、第15節終了時点での順位表です。
★は天候不良等による未消化試合数。
1位 京都サンガF.C.(30)
2位 サンフレッチェ広島(28)★
3位 東福岡(25)
4位 名古屋グランパス(24)★
5位 ガンバ大阪(23)★★
6位 セレッソ大阪(20)★
7位 ヴィッセル神戸(18)★★
8位 アビスパ福岡(16)★★
====自動降格====
9位 阪南大高(11)
10位 米子北(3)★
広島とガンバに未消化試合が残されていることを考えれば、どこが優勝するか分からない大混戦だ。
近年、稀に見る優勝争いの混戦だが、
我がヴィッセル神戸U-18の中断明けからの不調が大きな要因の一つとして考えられるだろう。
神戸は中断明け以降、1勝4敗と絶不調。
一時は首位に立つものの、優勝戦線から遠のいてしまった。
一体何があった。チーム状況をこの目で確かめる。
神戸は小林友希、セレッソは瀬古歩夢がU-19日本代表招集中のため不在です🇯🇵
ヴィッセル神戸U-18
GK 1 多久美 景紀 2年 柏レイソルA.A.TOR'82
DF 2 宋 勝鳳 3年 ヴィッセル神戸U-15
5 右田 楓 3年 バレイアSC(熊本)
6 谷村 尚哉 3年 スポーツクラブ和歌山VIVO
20 坂口 薫 2年 ヴィッセル神戸 伊丹U-15
MF 7 山内 翔 2年 ヴィッセル神戸 伊丹U-15
8 船越 大夢 3年 ヴィッセル神戸U-15
10 原 尊 3年 上州FC高崎
FW 9 小田 裕太郎 2年 ヴィッセル神戸U-15
11 泉 柊椰 3年 柏田SC(大阪)
13 臼井 勇気 2年 ヴィッセル神戸U-15
セレッソ大阪U-18
GK 22 折口 輝樹 2年 FC.フェルボール愛知
DF 13 西尾 隆矢 2年 セレッソ大阪U-15
24 土浦 直瑠 2年 セレッソ大阪U-15
3 室津 颯斗 3年 セレッソ大阪U-15
30 下川 太陽 2年 セレッソ大阪U-15
MF 17 桃李 理永 2年 セレッソ大阪 西U-15
20 松本 凪生 2年 セレッソ大阪U-15
32 近藤 蔵波 1年 セレッソ大阪U-15
34 吉田 有志 1年 セレッソ大阪U-15
FW 9 根木 洸希 3年 セレッソ大阪U-15
18 藤尾 翔太 2年 RIP ACE SC(大阪)
神戸は連敗しているチーム状況そのままだった。
どよ〜んとした雰囲気で、観客席からも「元気がないね」という声が漏れてきたほど。
それこそ槙野智章みたいなムードメーカーがいないのかな、という感じだった。
前半1分、神戸は宋勝鳳のロングフィードに臼井勇気が抜け出してシュートを放つも、ここはGK折口輝樹が飛び出してきてブロックする。
神戸はバルセロナそのままのサリーダ・ラボルピアーナを取り入れたパスサッカー。
今季から遂にトップチームも同じサッカーを志向し始め、ユースからの一貫教育が完成した。
これはすばらしいことですよね。
臼井勇気がゼロトップで、原尊と船越大夢が高めに位置取る。
主将の船越大夢は、身体の向きで敵を欺く駆け引きができる選手で好印象でしたね。
前半13分、神戸はGKも混じえた後方でのパス回しからGK多久美景紀が下りてきた船越大夢へパスを出すと、セレッソのプレスに遭い、リターンパス。
すると、このパスが浮いてしまい、多久美もトラップし切れず、ゴールに吸い込まれてしまう…
[ヴィッセル神戸U-18 0-1 セレッソ大阪U-18]
GKへのバックパスは枠内を外すというセオリーがあるが、仕方がない。
切り替えてやるしかないが、いかんせん神戸に声を出せる選手が少ないため、ますます鬱ぎ込んでしまう…。
それでも前半17分、神戸は右田楓の縦パスを原尊が右サイドにフリック。
このパスに走り込んできた小田裕太郎がダイレクトでシュートを放つも、GK折口輝樹がブロック、跳ね返りを原尊が詰めるも、ゴール左に外れてしまう。
小田裕太郎はU-17日本代表、昨年一目見て大器だと確信した逸材だ。
エンバッベに憧れているという通り、身体能力の高いドリブラー。
身長も180cmあり、サイドバックと高さでのミスマッチを生める、ゴールキックの的ともなっていましたね。
今日見たら動き方を勉強中という感じで、特に守備面、プレスバックなどをベンチからも強く言われていた。
「守備のとき、裕太郎コントロールしてあげて」とサイドバックの選手に声がかけられていた。
昨年見たときはかなり自由を与えられていたので、本人は窮屈だろうが、プレーの幅を広げる意味で大事なことですね。
オフ・ザ・ボールはソン・フンミンの動きが参考になると思います。
ただ間違いなく大器は大器で、ボールを持ったときに雰囲気があるし、期待感を抱かせる。
前半27分、セレッソはこぼれ球を拾った西尾隆矢が前線へロングボールを放り込むと、
根木洸希が抜け出して、右田楓に競り勝ち、フィニッシュまで持ち込むも、ここはGK多久美景紀が至近距離でブロックする!
セレッソは、トップチーム同様にコレクティブな王道の4-4-2サッカー。
山口蛍とソウザじゃないが、このサッカーはボランチのゲームメイク能力が肝となる。
そんななかで、ダブルボランチの桃李理永(リヨン)と松本凪生はクラシックな正統派ボランチ。
キックが正確で、彼ら2人から良いボールが出てくる。
守備でも下がってきては中央を塞ぎ、数的優位を作ってくれる。
あとセレッソはU-23チームを持っており、J3に参戦中。
何人かの主力選手がそちらに合流しており、やはり地力では神戸にやや劣る。
志向しているサッカーもあるが、今日はどうしても神戸に持たれる時間帯が多かった。
前半29分、船越大夢と根木洸希が交錯。
根木の痛がり方が普通ではなく、これはただ事ではないなと。
そのまま担架で運ばれ、無念の負傷交代となる。
根木 洸希→前田 龍大
試合後、松葉杖を突いていたので重傷なのかな…
前半42分、セレッソは前田龍大が神戸ハイラインの裏を突くスルーパスを送ると近藤蔵波が一気に抜け出してシュートを放つも、全速力で戻ってきた右田楓のブロックに遭いゴールならず。
セレッソリードのまま前半終了。
後半が始まると、セレッソのインテンシティが明らかに高くなる。
恐らく、勢いを持って後半入るようにハーフタイムで士気を上げたと思う。
すると後半1分、セレッソは松本凪生が左サイドに展開すると、パスを受けた下川太陽が敵陣深くで切り返し、利き足ではない右足でクロスを上げる。
このクロスをファーサイドで待ち構えていた藤尾翔太が頭で合わせるも、わずかゴール右に外れてしまう…!
立ち上がり数分はそのままセレッソが攻勢に出るも後半5分、神戸は原尊が左サイドを抜け出して後方にパスを送る。
すると、このパスを受けた泉柊椰が右足で巻いたシュートでゴールを狙うも、わずかゴール右に外れてしまう。
後半12分、セレッソは吉田 有志→奥村 仁。
後半19分、セレッソにまたもアクシデント。
室津颯斗がボールを奪いにいった際に足を負傷。
「×」マークが出てそのまま担架で運び込まれ、交代を余儀なくされる。
室津 颯斗→野村 天真
後半27分、神戸は臼井 勇気→森田 侑樹。
すると同じく後半27分、神戸はバイタルエリアでのデュエルを山内翔が制すると、右足を一閃。
目の覚める強烈なミドルシュートがゴールネットを突き刺し、神戸が同点に追いつく!
[ヴィッセル神戸U-18 1-1 セレッソ大阪U-18]
山内翔(カケル)は圧巻だった。
2年生の早生まれで、日曜日までU-16日本代表の一員として、森山ジャパンのアジア制覇に貢献。
移動の疲れがあったと思うが、今日は先発出場。
後半は身体が温まったのか、エンジン全開。
柴崎岳くんみたいなボランチで、こぼれ球を拾いまくっては広角に中距離パスを出して展開。
姿勢が良くて、背中が常にピンと張っている。
身体の向きで視野を確保する上手さも併せ持っており、「今年、昇格させても良いのでは」と思ってしまうほど別格の存在感を放っていた。
今年一皮剥けたなと、今日はゴールまで取って、ミドルがあるところも見せつけた。
後半35分、セレッソは近藤 蔵波→三渡洲 海鈴。
すると後半42分、セレッソは三渡洲海鈴が宋勝鳳に倒され敵陣左サイドでFKを獲得。
キッカーの下川太陽が左足でニアサイドへ入れたボールに、一番遠いファーサイドから走り込んできた藤尾翔太が頭で合わせる!
このヘディングシュートが宋勝鳳に当たってリフレクション、ボールはゴールネットに突き刺され、セレッソが再び勝ち越しに成功する!
[ヴィッセル神戸U-18 1-2 セレッソ大阪U-18]
藤尾翔太はU-17日本代表で、彼も前線で質的優位を作れる。
無理が効く身体で、強引に押し切れる。
神戸にいたペドロ・ジュニオール(現・武漢卓爾)がそうだったけど、一見細くて当たり弱そうに見えるが、いざ試合になるとフィジカルコンタクトにめちゃくちゃ強くてスルスル抜いていく、彼も同じタイプだ。
たまに集中力を欠いたパスミスをして村田一弘監督には怒られていたけど、やるときはやるというメンタル的にもFW向きなのかなと感じた。
神戸ボールで試合が再開、すると三渡洲海鈴が猛ダッシュでプレスをかけて神戸のロングボールをブロックする。
得点直後が一番失点しやすいため、神戸の出鼻をくじくという意味で、何気に好プレーだった。
サポーターも「カイリ」コールで沸く。
ちなみに、彼はモデルの三渡洲舞人さんとMALIA.さんのご子息だ。
ここで試合終了。
セレッソがアウェイで勝ち点3を獲得。
何よりハイライトは勝ち越しゴールですね。
練習通りだと思いますが、いや上手かった。
一番ファーサイドから飛び込むことで、相手を後手に回らせた。
神戸サイドからするとリフレクションした不運もありましたね…。
セレッソはサポーターの方も複数人駆けつけており、一名選手を鼓舞する系の熱い応援をする女性の方がいらっしゃった。
「切り替えよう!」「良いよ!」といった声をかけ、セレッソのインテンシティの強度を保つ上でかなり後押ししたと思う。
サポーターの方も戦力になっていましたね。
神戸はネガティブな面が目立ってしまった。
おとなしい選手が多いですよね。
もっと気持ち、士気を上げるような声がけがあっても良いと思う。
やっぱり最後はメンタルだと思いますしね。
言い換えれば、監督のマネージメントの見せ所でもありますね。
ただコーチングは少ないが、オフサイドを8回も取った。
相手が背中を向いてる間に最終ラインを押し上げたり、そういった動きはインプットされている。
声がけはなくても、システマチックに動ける点は神戸の武器だなと改めて感じました。
ヴィッセル神戸U-18 1-2 セレッソ大阪U-18
0-1 前半13分 オウンゴール
1-1 後半27分 山内 翔
1-2 後半42分 藤尾 翔太(下川 太陽)