日比谷花壇大船フラワーセンターは、日比谷花壇やアニメスや相鉄との資本提携による県立組織である。そもそもは神奈川県の農業試験場だったそうだ。日比谷花壇はこの近くに苗木パークも所有する。
大船駅から徒歩約16分の広大な敷地内には、各種イベントが入る本館管理棟、桜園、バラ園、ハス園、温室園と、四季折々の花を楽しませる施設が整っている。神代植物園を思い出させる。
庭内の巨木には、クスノキが多いことから、それより南の地域、たとえば「伊豆」を意識させる。さまざまな植え方のハスが目立つ。いずれにせよ、大変快適な緑の空間になっている。
ここで、「ひょうたん展」が開かれているので行って見た。
訪問した理由は、事務所水槽上の絵画作品、並びに頭上の瓢箪スピーカー製作者のアーティスト、秋元しゅうせい氏のスピーカー作品が展示されているからだった。
そこには世界各地域の瓢箪の利用作品が展示され、なるほど器として使える植物が少ないがゆえに、かくも多くの種類の瓢箪が生み出されたと納得した。
それにしても、何と種類の多いことか。小さいものは3センチ、まるで大きな狸の置物のようなものは、有に1mを超える巨漢である。
長さで言えば、まるで山芋のように3m以上も伸びた細長いものがあり、これらは土に届かないために高く吊り下げたり、その下に穴を掘ったりするという。「鬼に金棒」と名付けられたものもあった。アフリカの工芸品は美しかった。余暇にこのようなことをして過ごすのは充実した生活だと思った。
最も大きなものは、「秋篠宮文仁親王御所有」とあり、なぜか「写真撮影禁止」とある。展示されている皇族の所有物を撮影することを許さないとは一体いかなる意味か。しかもその対象は瓢箪である。これは「ユーモア」なのか、それともそうでないのかいささか迷った。
瓢箪は縄文時代からあるそうだ。
皇室が文化を作ったのではなくて、そもそも文化があるところに外部から皇室の種が飛んできて芽生え育ったというところが本当ではないか。「文化」が先行してあったのである。
そこでなぜか「瓢箪撮影禁止」。
やはりどう考えても冗談としか思えなかった。
室内ではしゅうせい氏作の異次元瓢箪スピーカーが、瓢箪で作られたパーカッションの音をまるでライブのような臨場感で発していた。
実は秋篠宮は、この瓢箪スピーカーの愛好者だそうである。