前田が「かしこまりました」と言って下がると、オカモトは言った。
「すまんが、ワシはこれから予定が入った。帰る前に確認しておきたいことがある。オオサワさん、この硬化プラスティックの盤面はすぐにできるのか?また、それにかかる費用はいくらくらいじゃ」
「デザインさえ決まれば材料を仕入れてプリントするだけです。1週間もかかりません。代金は、原材料の他に工賃で、1枚7000円でいかがですか。これは初回の材料設備投資が必要だからで、次回からはもっと安くできると思います」
「そうか。よし決まった。6角堂さん、後は渕上さんと相談してお願いするよ。あんたの方の費用や経費についてはさっき車の中で確認した通りだ。オオサワさん、お手数じゃが、あなたも銀行口座番号をここにメールして送って下さい。即日消費税込み756000円先払いする予定じゃ。では、お二方とも子どもたちのために良いものを作るご協力をよろしくお願いしますぞ。ワシはこれからこのキャロムの件で武蔵野市長に会うことになったのでこれで失礼する。6角堂さん、今日は本当にお疲れさまじゃった。すまんがこれで帰りの交通費なんかを好きにまかなってくれ。それから、すでに貴兄がキャロムを売った先のリストを出来たらこちらに下さい。招待状を出すのでな。」と言って真新しい封筒を差し出した。