パズルの話について | JOKER.松永暢史のブログ

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数学ができる生徒は算数ができる。算数ができる生徒はパズルが得意。つまり、数学や算数が得意になるにはパズル的思考訓練が必要ということになる。

数学や算数ができるとは、単になんとか算とか答えの出し方を習って、その通りに計算をして正解が書けるということではない。一種の謎掛けを与えられてそれをあれこれ試行錯誤して解く能力である。いやその能力がベースにあるからこそ、容易く算数が理解できるのである。

プラパズルやタングラムなどの形態パズルに親しめば、図形の学習に楽に入れる。レゴをやれば面積や立体に強くなる。他にも様々なパズルがある。将棋の藤井くんが愛したのは流体パズルcuburoだった。

幼児から老人まで幅広い人にパズルを紹介しているパズル博士の星野孝博さんから興味深い話を伺った。

「やや難しいパズルは、母親のほとんどがやろうとしないが、父親の中には積極的にやる者もいる。ところが老人ホームでは、パズルは女性が中心で、男性はほとんど関心を示さないのです。」

なるほど、女性は歳を取っても身の周りのヒマつぶしを積極的に利用しようとするのに対し、歳を取った男性は最早新しいことや面倒くさいことに新たな関心を抱かなくなる。

これは幸島のサルの話と同じである。幸島では、まず若いサルたちがイモ洗いを始める。

すると、それが老若に関わらず雌のサルたちに模倣共有される。しかし、年配の雄のサルたちはそれをしない。彼らは見ているだけである。新しいことに関心がない。

そもそもサヌキ性が高い男性は、子どもの時に大いにその好奇心を発揮した。それは彼らの「情熱」の元であったであろうが、いつの日かそれは枯渇し、新しいものに対する反応を失ってゆく。対してアワ性の高い女性では、子どもの時にきれいなもの、楽しいもの、可愛いものに対する感受性を培う。そしてそれは高齢者になっても衰えず、新しいものでも受け入れられるという形で機能する。

このことは、高齢者にはパズルだけではなく、感受性が高まる活動が必要ということではないか。つまり、高齢者にこそ焚き火か。

パズルの話からそんなことを考えた。