リベラルアーツ | JOKER.松永暢史のブログ

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土曜のV-netは本当に騒がしくて忙しい。

朝から音読サイコロ道場、モノ書きくらす=作文クラスで集団指導。それが終われば他の先生も個人レッスン。

並行で読書のワークショップ。狭い教室でこれが同時に行われるからかなりにぎやかである。親御さんも多数出入り。パズルをやり始めてなかなか帰宅しない子もいる。

自分も午前は超腕白な男の子の初回相談。午後は小学生作文個人指導、中学生家庭教師紹介と5時間続いてクッタクタ。

家へ取って返し食事入浴瞑想。すっきりしたところで今度はリベラルアーツ。テキストは『詩経』である。

最初にトーマスモア『ユートピア』の冒頭部分を岩波その他の訳で読み比べると意見が別れた。各々「良い」と言った生徒に貸し付けて読んできてもらうことにした。『タルムード』は、講談社+α文庫のものが興味深く読みやすいということになった。他のはとかくユダヤ人礼賛的なものが多く、また、選民思想的なところは省略されていて読むことができない。ここには強烈な「圧力」があると想像されて逆に興味深い。こちらの知りたいのは、キリスト教世界で抑圧された民族が、その限界状況で生き延びようとする智慧の有り様と、同時に他民族を「人間」と見なさなくなる過程の歴史であるが、これを不当に虐げられたりいじめられたりした人が、社会全体を敵視するに至る感情の考察に用い、その解決にはどうしたら良いかと考えるリベラルアーツ的な展開を目論むからでもある。とりあえず、文庫ということもあり、ラビ・トケイヤー著/加藤秀明訳で『ユダヤ5000年の知恵−聖典タルムードの秘密』(講談社+α文庫)を読むことになった。

さて『詩経』は「国風」終わって、「雅」に入るとつまらなくなってしまった。国王の礼賛や繰り返しの遠征従軍の苦しみとかでいささか退屈する。だが、そこには現在の我々も使用する慣用句の元も散見し興味深い。しかも、間に入る目加田誠氏の文章は、論文の重要ポイントを押さえて文庫一冊で全てのあらましを解説しようと試みる非常に内容の詰まった文体で、これを生徒の高度論説文体読みに役立てようと、ずっと筆者が音読して行く。よくついて来るので感心する。筆者が中国語ができないのが本当に残念である。馬鹿野郎!中国語も学校で教えろってんだ。これからは英語も中国語も両方必要だ。失礼。なんてほざいても自らの修練の不能あるのみか。

リベラルアーツ、7月は14日に会講予定、その後は25日の囲炉裏端合宿である。

今日はこれから何と5件の予約が入っている。密かにキャンセルを願う自分があるが、どれも会うべき子どもたちばかりである。早く出て掃除をすることにしよう。

読者にとっても好き一日でありますように。