庶民に選挙はカンケイナイ? | JOKER.松永暢史のブログ

JOKER.松永暢史のブログ

教育相談、執筆・講演依頼は松永暢史公式サイトよりお願いします。

鳥取は涼しかった。
音読会を行い旧交を温めて愉しき時を過ごした。
温泉にも入り、例によって釣りたての魚など美味しいものをたくさんいただいた。
すっかり「元気」になって戻ってきたが、こうしてPCに向うと、明らかにこれから強制的に離れることが良いことがわかってしまう。
都会で生活してPCで仕事をする。よく考えて見ると「不自然」なことこの上ない。
外の景色も家とビルばかり。山や川が見えない。
こんなところに住んでいてもしかたがないとつくづく思うが、なぜか引き続きやめることができない。
さて選挙結果は予め予想されていた通りの結果であったが、改憲勢力が3分の2を超えたことに改めて驚きを禁じえない。
これは、日本が自ら軍備を強化し、アメリカからの「独立」を目指す方向性をとることに多くの人が同意したことも意味する。
多くの人は、憲法問題なんて関係ない。このまま平和で経済さえ良くしてくれれば良いと思うのであろうが、建設公共事業に加えて、軍需産業発展強化の経済政策が未来国人を幸福にするとは思えない。だいいちその資金も税金である。繰り返しになるが、まず教育にお金を投じて欲しい。
すでに自衛隊の海外派遣が多くなることを受けて、自衛官の志願者が減っていると言う。ということは、やがて若者にその一翼を担ってもらうことになり、「徴兵制度」に繋がる政策がとられることになる。
ブッシュ政権時のイラク戦争では、戦地後方で雑務をこなす人材を雇用するために大学生の奨学金の打ち切りが行われた。代わりに戦地で働けば奨学金を払うと言うのである。
実際、兵士になる者は、志願する者より、「強制」されてなる者が多いだろう。そして、そこは資本主義社会、経済的に追いつめられた者がその職務に就くことが多くなるのは間違いない。
すると妙なことがわかって来る。
軍備を強化するのは対外から身を守るためだとすると、その「対外」とは何で、そしてそれがいかなる軍事行動をとり得るかということである。
ミサイルを撃ったり爆弾を落としたりするのはわかるがその後どうするというのか。
まさか原爆落としたアメリカみたいに上陸占領しようとすることは最早できまい。
島国である日本を制圧するには、船で上陸して展開することが必須だろう。弥生時代じゃああるまいし、今の世でそんなことができるのか。船なんて簡単に攻撃できちゃうよ。飛行場を制圧して着陸するにも限度がある。
もしも中国がそんなことしたら、内陸深くに渦めく民族問題などが爆発して共産党政権そのものが危なくなる。
さらにである。実は庶民の生活は上の者が誰になるかなんてあまり関係ない。庶民はただ世の流れに身を任せて働いて生活して世代交代するだけ。つまりすでに支配されている者は新たな支配を受けても同じことだということ。
つまり、他国に攻められて本当に困るのは「支配者」であるということ、庶民はどうせすでに支配されているのだから関係ないということ。
だから、ある意味で、庶民が投票に行かないのは正しいことだとも言える。彼らには政治のことはカンケイナイのである。イギリスでも若者の投票率は40%台だった。しかし、イギリス人たちは、メディア、有識者、政治家たちの繰り返しの説得や脅しの声を無視して「離脱」を選んでしまった。
日本ではそうではない。ほぼメディアの「演出」した通りの結果になった。
18歳に選挙権年齢を下げたということは、のちの「徴兵」開始の際に、一応自分も主権者であったという事実を作るためだろう。そして、もし投票に行かなければ、これに反対はしなかったことになる。
約半数が棄権する。沖縄ですら投票率は55%。
これでは支持された政治家も「手応え」が薄かったことだろう。
実質的な選挙権が人口の約7%の全人代構成員だけにしか与えられない中国人庶民がこれを知るとどう思うのであろうか。