Happy birthday と Good morning | JOKER.松永暢史のブログ

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ふつう「命日」とは人が他界した日であり、残された人がその存在を偲ぶ日であろう。
これに対して誕生日は、人が生まれた日であり、周囲がその存在を寿ぐ日であり、その人の死後には行なわれない。
どちらかと言えば、死後も祝福するべきは誕生日の方であるような気がするが、これは宗教的な慣習に支配されることが多いだろう。
仏教にも灌仏はあるが、キリスト教のクリスマスほどの騒ぎではない。
ところで、誕生日にケーキにローソクを立てて「Happy birthday to you」と歌うのはいったいいつから行なわれていることなのだろう。
ご存知の通り、Happy birthdayの原曲は「Good morning to all」と言う曲で、これは1893年に米国のヒル姉妹によって作曲されている、子どもたちに朝の「お早う」を伝える歌である。これに第一次世界大戦後の1920年代に、現在の歌詞が付けられて歌われ始めたとのこと。戦前の日本で、Happy birthday to youとは、天皇陛下に向ってでもできないことだったであろうから、これが日本で広まるのは第二次大戦後に違いない。ちなみにこの歌は世界で最もよく歌われている歌であるそうである。ひょっとしたらプーチンは歌われそうであるが、習近平はまず歌われそうにない。意外なところでは金正恩も歌われそうであるが、朴槿恵はもちろん、安倍さんも岡田さんも歌われそうである。ちなみにケネディ大統領はマリリン・モンローに歌ってもらったそうである。う~ん安倍さんの奥さんはさも歌いそうであるが、岡田さんの奥さんが新党誕生を祝って歌うかどうかはわからない。
さて、ではケーキにロウソクを立てるというのはいつ始まったことなのであろうか?
ロウソクを立てるというのは、まだ電気のなかった時代であろうから、19世紀のことであろう。
日本ではもちろん一般には1945年以降だろう。
こう考えてくると、なぜ日本人が誕生日にケーキにローソクを立て、Happy birthday to youを歌うようになったのかわかるような気がする。
ともあれ、これは経や祝詞とはことなり、生きている者に対してしか歌えない。
つまり、その人の存在を祝う歌である。
ここまで来ると、Good morning to you と子どもたち皆に歌いかけることの方が本当はふさわしいことなのではないかとも思えてくる。
替え歌が世界の定番になるとは、作者はどのように思ったことだろうか。
27歳の時に、「人生半分来た」と直感したが、すでに予定の年齢を5年も過ぎてしまった。
いたずらに馬齢を重ねる証左の文章を垂れ流しながら、本日また一つ歳をとってしまったことになる。