最近人と飲んでいると、和やかに飲み進むうち、どういうわけか突如相手が激高して、
「オマエのやっていることは、右翼やナショナリストを歓ばすことだ」とか、
「オマエのような人間を資本主義社会の権化というのだ」とか、思わず店の者が心配するほど大声で言われたりする。
昨日は新宿で教育作家たちと愉しく飲んでいると、予め「最近自分と飲んでいると酔って激高する人があるからそういうことはないようにしてくれ」と断ってあったのに、気がつくとヘッドロックされて、しかも頭頂をピタピタと叩かれてしまう。
どうもこちらがふざけ過ぎているためか、笑い転げているうちに何をしても構わないという気分になるらしい。
これも鳥取「膣呼吸」にはとても及ばないが。
最近音読会などで、やけに幼児や子どもたちに人気である。椅子に座るとすぐに子どもたちが寄って来て後ろに回って頭頂部をヒタヒタと繰り返し叩かれる。これを逃れると別の子がやって来て、足をタックルしたり股間を叩いたりしてくる。
気がつくと、椅子を持って来てこれに乗った子どもが、同じく頭頂部をペタペタ叩いてくる。
会が終わって帰ろうとすると、
「集合!先生が逃げないように捕まえよう!」と号令を掛ける者があって、両足に子どもがしがみつき、しかも上着の裾は複数の手で引っ張られる。これをなんとかくすぐり戦術で脱出すると、「先生が逃げちゃう!」の声がして、エレベーターの前は人間バリケード。
チンと鳴ってエレベーターが開くと、他の人もいるのにぞろぞろみんな乗り込んでくる。
何か言おうとして、「先生」と言うから、「こういうところでボクが先生だと言うな。ボクが先生であることが他の人にバレちゃうじゃあないか」と言うと、
「先生が先生であることがバレてどこが悪いの?」と、
「先生、先生、先生」の大合唱になり、他の乗客は大苦笑い。
サングラスに帽子にマスク姿のヘンな男は途方に暮れる。
まるで裸の王様にされた気分。
自分で言うのもなんだが、いいかげんに
「ふざけるな!」
と言いたい。