午後空いている時間を狙ってプールに行くと、更衣室には春休みでプールに来ている小学生たちが集まって騒いでいる。
まだ1年生か2年生か、言葉がおぼつかないが、それを仲間同士でやり合って楽しんでいる。
「カイト君の恐ろしいお尻見えちゃったー」
シャワーの後、素っ裸で脱水機を使う筆者が笑いをこらえていると、それを目敏に見つけた子が嬉しそうにこちらを見て、もう一度、
「カイト君のお尻恐ろしいー!」と言うので、
「どうしてお尻が恐ろしいのー?」と尋ねると、う~んと答えに詰まってしまう。恥ずかしいお尻が見えちゃったことを、他に言葉が見つからないので「恐ろしい」と表現していたのであろう。
「分かった。ウンコが出るからだろう?」と言うと、
「それじゃあどのお尻も同じになっちゃうじゃあないか」と言う。
「そうか、じゃあどうしてお尻が恐ろしいのかな?」
「おじさんは誰?」
そこで口を耳元へ近づけて小さい声で、
「ゆーかいま」と囁くと、
「えっなに?ゆーかいま?」と通じない。
すると他の子の一人が、
「あっ誘拐魔だ!」と叫ぶ。他の子も、筆者のことを指差して、
「ゆーかいまだ!ゆーかいまだ!」と口々に叫ぶ。でも全然怖がらない。なおも続けるので、
「そんなこと言うか今」と言うと、
「ゆーかいま、ゆーかいま」と声をそろえる。あまりにうるさいので、
「ゆーかいまは愉快なのか恐ろしいのか?」と聞くと、
「ゆーかいまは、おそろしい、こわい」と答えるので、
「おしりは?」と尋ねると、
「こわくない」と来た。
「授業」が終了したので、その場を離れようとすると、向こうの方に居合わせた老人から険しい目線を投げつけられた。
5日11時より、千葉神崎で親子音読会を行なう。参加希望者は、寺田本家までご連絡を。