またしても灼熱の炎天下。
「晴れ男」もこうなると逆に苦笑するしかない。
初めのうち緑溢れる自然環境に「放牧」された子どもたちは、火おこし、薪割り、犬の相手など、いつものように各々思いつくままに行動するが、午前11時、いよいよ陽射しを厳しくして来た太陽は、子どもたちをやむなく自然に木陰に誘う。ここでスクエアースクリーンのタープを組み立てる。これは前日農家に購入してもらったものではあるが、これが実に大正解!風は入るが蚊が入らない。しかもこのなかで扇風機を回してチェアに座すればたちまちアラブ王者の砂漠天幕と化す。
しかし、空腹になれば、火の元に寄って、何かを焼いて食さなければならない。無解凍豚トロ豚舌、ハム、ソーセージ、ベーコン、ジャガイモ、サツマイモ、トマト、etc。
それにしても暑い。多動症気質ゆえ、テントの中でダラダラつまらない会話をしているのでは耐えられない。でも外へ出れば炎天下。これは天気予報以上の気温に上がっているのではないか。麦わら帽子にサングラス。まるで火に当たっては活動して火に戻るエスキモーの逆に、陽の下に出ては日陰に戻って休む。
中学生以上が日陰で休むのが目立つようになった後も、小学生たちは陽の下で遊び続ける。彼らには暑いことよりも、熱中していることの方が意識的に優先されているようだ。皆汚れた手で顔をこするので、石川五右衛門のようなご面相になっておるが、なぜかこれを見ていると、自分がアジアの子だった元気だった大人の元だった頃が強く想い出されて、涙を流したくなるほどうれしくなるから不思議だ。
小学生が元気なのはもっともなことである。大人の躯に向けて発達前の子どもたちは体躯と内蔵とのバランスが良い。だから冬でも夏でも野外で元気でいられるのである。対して、躯の発育に内蔵の発育がついて行けない中高生は、躯が出来上がった大人の労働者のようには活動できない。
時間が来てしまった。これから炎天下運動会翌日振り替え休日の生徒に接する。—continued