支配について ( by Joker ) | JOKER.松永暢史のブログ

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6月末に刊行して好評の『男の子が14歳になったらこれだけは伝えなさい』(徳間書店)では、「支配」についてまず述べた。その結果、著者周辺、あるいは読者の皆さんから、改めて「支配とは何か?」という問いかけを多数受けているので、出版社や編集者からは「流行作家の利益にならない垂れ流しはやめよ」とやんわり釘を刺されてはいるが、ツイッターをやらない手前、当ブログでは思うところを述べたいと思う。
現代日本社会の「支配者」は、1政界2官僚界3財界4メディア界であり、これらに共通するのは、「超高学歴」ということである。
この中で最も学歴的に劣る政界は、資金源である財界の言うことに耳を傾ける。
メデイアも資金源である高学歴上部の財界意向に概ね従い、低劣な一般思想を反映させて先導することをその役割とする。
そして最も学歴的に優れる官僚界は、税、検察、国家事業企画のあらゆる方面での選択権を所有する。
高学歴者が低学歴者を支配する。あたかも読み書きの出来る平安貴族が武士を、あたかも読み書きのできる江戸武士が読み書きの出来ぬ農民を支配するが如く。
政界は、財界向けに「利益」のために言うことを聞く。
利益追求をするメディアもそれに従う。
学歴があるとは、一般の人よりも日本語運用能力が高い存在であるということ。
税を納めぬ者や、政府意向に従わない者は、法的に拘束される。
こうした中で少なからぬ若者が、都市を離れ田舎に生活の場を求め、「帰農」する。
つまり、その背後では、老齢化する農業人口の新たなる人材を得るために、都市民を農地に戻す「政策」が事実進行していることになる。
教育を「進化」させないのは、資金がないのはともかく、国民の日本語などの能力を低水準にとどめコントロールし易くする低意識のためであろう。
全て「支配者」の意向が、国民が自ら目覚めないことであるのは歴史的事実であろう。
故に、支配者のやり方や思想を予め知ろうとするリベラルアーツは本当に大事である。
リベラルアーツ=自由になるための技術とはよく言ったものである。
これこそが、本物の「未来教育」である。
国家権益だけではなく、国家理念を同時に考えること、掲げた「国家」の先々の幸福を保証すること、未来を支える子どもたちの教育を本当に大切に考えること、これが考えられない「支配者」は、全て存在の意味がない高学歴者であることを後々痛いほど感じることであろう。
この項逆説的に、倫理的には、ダマされている庶民の方が、既成生活が連続できる「原住民」同様、幸せなことになる。
今最も必要なのは、主体的判断ができる人材の育成ではなかろうか。
リベラルアーツ27日は上級コースで、テキストはマックスヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』。
男の子が14歳になったら、これだけは伝えなさい。 反抗期の心に響く53のメッセージ/徳間書店

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