リベラルアーツ『コーラン』(7月23日)の手引き 宗教改革(by Paul) | JOKER.松永暢史のブログ

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 今回は,我々と資本主義との関係,資本主義に対する対処法を考える。

 断食の実行により少食の習慣が身につくにつれ,生活に様々な変化が生じる。
 少食を習慣化すると,まず,食材を精選して買うようになる。
 のみならず,日常生活のあらゆる場面で,無駄な買い物をしなくなる。
 営業マンのセールストークを鵜呑みにしなくなる。
 また,買い物に限らず,自分の行動に対して,多角的に考え,無駄な行動を極力省くことができるようになる。
 この文脈で考えると,(かつての私もそうであったが)我々の多くは,資本主義教という宗教を信じ込まされているといってよいだろう。
 勿論,貨幣経済をもとに成立している資本主義をこの世からなくすことは,不可能であろうし,社会を存続させるために,それを根絶させる必要もないだろう。
 その本質は,人間の欲をうまく刺激して,より多くのモノを買わせることにある。
 たとえ要らなくても,「つい」衝動買いをしてしまうようであれば,その信者であると言えるだろう。
 無駄なモノを買わないという習慣を一人でも多くの方が身につければ,粗悪品はどんどん淘汰されるはずだ。
 このように,資本主義の言いなりにならず,資本主義を自分の思うままに利用することが極めて重要であると思う。
 そのための方法は,極めて単純で,「不要物を買わない」ことに尽きる。
 ただ,実行することを習慣化するまでが難しいと思う。

 この日,講読中に提起された「新教を開くにはどうすればよいか?」という質問に対して,体系化した返答を作成することは,筆者にとっては極めて困難である。
 が,宗教改革なら,相手とする宗教によるのだが,まだ容易である。
 例えば,資本主義教改革なら,先程の私見の繰り返しになるが,「不要物を買わない」ことに尽きると思う。
 「もっと日本経済に貢献しようよ」
 これは,久々に会った筆者の教え子の一人が,食事会のとき,無駄なモノを買わないと述べた自身に対してぶつけた言葉である。
 個人的には,淘汰を十分に起こすために,日々積極的に貢献しているのだが…。
 断食と同時に,是非,断買をしてみよう。
 セールスマンたちの歯ぎしりが聞こえてきそうだ。

 演習1 現在の日本社会において,過剰サービスと思われるものを具体的に挙げよ。その過剰部分を減らすことが困難な本質的理由を考察したうえで,対応策を策定せよ。