徒然草 | JOKER.松永暢史のブログ

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最近音読の上達した生徒たちと『徒然草』を読むことが多い。
徒然草は「エッセイ」=「随筆」ではない。
これは同族貴族子弟へ向けての「教訓書」である。
で、あるからこそ、江戸時代の藩校、寺子屋で読み込まれた。
ここには、ある事柄について上達することの大切さが繰り返し述べられる。
それは、「技術」というより、「嗜み(たしなみ)」と言うべきもので、何かが簡単にできるようになっていることである。
「上手になること」と「高得点すること」は、意味が違う。
それは誰でも「上手」になるはずのことである。
心があってこそ「上手」になるのであり、「高得点」できるのである。
人は快感を全く期待せずしてsexをすることはできない。
と同様に、ふつう人は上達の実感なしに前に進むことはできない。
前に進むこと、=新しい次元に入ることは、紛れもない快感である。
こんなことは、単なる「随筆」では書けない。
「エッセイスト」という自称は、アタマの悪さの表象ではないのか。

*V-netリベラルアーツ「スッタニパータ」第三回は、1月8日より。