リベラルアーツ『創世記』(11月27日)の手引き 対立する二語(by Paul) | JOKER.松永暢史のブログ

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 今回は,『創世記』冒頭を英文にて再読し,欧米人の思考法について,考察する。

 『創世記』冒頭,第一日目を英文で再読してみる。

1 In the beginning God created the heavens and the earth. 2 Now the earth was formless and empty, darkness was over the surface of the deep, and the Spirit of God was hovering over the waters.
3 And God said, “Let there be light,” and there was light. 4 God saw that the light was good, and he separated the light from the darkness. 5 God called the light “day,” and the darkness he called “night.” And there was evening, and there was morning—the first day.

 ここで,lightとdarkness,dayとnight,eveningとmorningという対立する二語に注目すれば,それらの単語そのものの意味だけでなく,第一日目の様子も実に明確に把握できる。
 単語帳に5回も10回も英単語を書かせて覚えさせる指導法と,『創世記』冒頭の音読のうち,読者の方は,どちらを選ばれるか?
 ここに表れている,対立する二語を用いて物事をとらえる思考法が,欧米人の思考回路に組み込まれていることは,是非とも知っておきたい。

 入試という場面に限定しても,対立する二語に注目して問題を考察することは,錯綜しているように見える問題の構造を把握するための極めて強力な武器となる。
 その武器の使い方の一例として,高校受験における数学の問題解決法を挙げてみよう。

● 幾何的に解くか? 代数的に解くか?
 ● 代数的に解く場合,特に方程式を用いる場合,解が存在するのか? しないのか? 
   存在するなら,解は1個か? 複数個か?
 ● 幾何的に解く場合,補助線は必要か? 不要か? 
   必要な場合,1本か? 複数本か?

 過去問対策を巧妙に裏切る高校の出題者は,以上の解決法を巧妙に裏切ることができるか? できないか?

 演習1 aを正の数とする。aの小数部分を求めよ。