きれいで、おもしろうて、おためになる………其の壱。 | SPACE BOX

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放浪理系ラテンジャズミュージシャン碧川サヤカ(さかいさやか)のページです。
日々の出来事や思いをつれづれなるままに。科学と日常、音楽と、好きなものを好きなだけ語ります。

放浪理系女子・ミドリカワです。


休止前にも貯めておいたネタ本がまだまだおりまして。改めて見返して、思索を繰り返しておりました。


そんなわけで、本日の古文書、いきませう。


珍しく、いきなり守備範囲外の小学生向けです。
明治後期のもので、当時の高等小学校向け自然科学の入門としての位置づけといったところでしょうか。
デザイン、装丁がかっこいい!!状態も申し分ない!!…という理由で即、お買い上げをした一冊。

文部省検定済教科書ですが、今のような指導要領までは詳細には策定されておらず、学校ごとの裁量に任される部分も多々あった様子。
ただ、共通して言えるのは、理科に関しては先ずは生活科学の側面が大きいところです。
身近なところから理解を深めようというスタンスはその後の世代でも引き継がれています。

表紙を開くと………

いきなり広告w
文部科学省検定済教科書だったらアウトなやつです。

きれいで、おもしろうて、おためになる………いまどきの小学生にはこのやうな丁寧なご説明をする雑誌の売り文句はござひませんな。
拾銭がこの当時高いのか安いのかいまいちよく分かっておりませんが、この教科書の作りを考えたときに、それなりに裕福な子供たちにむけているのかともふと思ったりして。

ちなみに、金港堂はこの教科書の出版元なので、自社広告です。




写真ではなく、多色刷のイラスト!!
当時は写真技術の黎明期であり、まだこの段階ではイラスト解説。観察眼がないと、教科書の絵師は到底務まりません。
サイエンスアートとして発展する手立てがあれば面白そうな気もしないではないですが、図解としてだけでなく、デザインも考えながら惜しみなく手を加えています。
ほかにも幾つかカラーイラストがありますが、手が込んでいます。

これらの美しい装丁がこれからの日本を背負う子どもたちのための心意気、だとしたら素敵だななんて思うのです。

教科書の狙いである、『児童が自然に順応し社会の状態に適することができること。そして自然の生活と人類の開化とを完全に理解させ、強盛な感情を養成。(ミドリカワ意訳)』のためにも、必要だと思われたのかなと。

しかし、教科書自体は50ページ弱。
これを一年でじっくり授業をしていく、というのは相当教師側の知識や素養が求められるなと思わずにいられません。浅いと早暁のうちにネタ切れ起こしそう………。

まずは、いったんここまで。
次より詳しい内容を掘り下げて参りませう。