JASRACに作品を管理させると自分で歌えなくなる? | ノリーヌ・ディオン (作曲家 アコーディオン奏者 長坂憲道)

JASRACに作品を管理させると自分で歌えなくなる?

こんにちは。

今週は一気に冷え込みましたねえ。

冷えると血圧が上がり気味に。

血圧が上がってくると、いろいろと危ない。

僕の場合はふくらはぎのマッサージで脚の血行を良くすれば血圧も改善。

さて、先週金曜日~今日までにツイッタータイムライン上で気になった話題を紹介しましょう。

著作権管理団体に楽曲管理してもらうと自分で演奏できない?

なんていう「モノ言い」を耳にする(目にする)機会が少なくありません。

それはなぜか?

それは平気で間違ったことをSNS上で大々的に放言するミュージシャンがいるからです。

その放言の主が人がミュージシャンだったりすると、その世界の話題に疎い人は当事者が実体験の上で言ってると思ってしまいますもんね。

けど実際には実体験もしていなければ、問題視している話題の詳細も正確にご存じないことが殆ど。

それ、知り合いの話しですか?と訊ねてみても、身近な知り合いのミュージシャンの話しでもないんだから。

【結論】著作権管理団体に楽曲管理をしてもらっても当然ながら自分で演奏・歌唱して構わない。

例え話をいくつかしておこうと思います。

まず、著作権管理団体に楽曲管理をしてもうような音楽作家(作詞家、作曲家)は、自作品が第三者に利用される機会が多い人です。

著作権管理団体に作品管理を託すということは、誰もが広く利用できるように「コンビニで自社商品=楽曲を販売してもらう」ようなものです。

この状況で自社商品が欲しいなら、レジで清算をするのは当然の常識ですよね。既に自社の手を離れて第三者に流通・販売を託してるんですもの。

この状況で「自作品を自分で演奏できない」だなんて言ってるような人は、店頭で値札を付けて売っている商品をお金を払って購入する気が無いだけの話しでしょう。

お金を払う気が無いなら商品は手に入らないのです。

値札を付けて売っている自作品にお金を払う気が無いということは、自作品の価値を自ら認めてあげることができない人でしょう。

「お金を払わなきゃ自作品が使えない」←そんなことを問題視しているような人は、はっきり言って音楽業界の話しだけに限らず、一般社会で生きていくための常識が致命的に欠落していることでしょう。

自作品にお金を払ったところで全額が自分に還ってくることを確認できます。

楽曲利用者が支払ってくれた楽曲使用料を全額漏れなく音楽作家に分配するからこそ、著作権管理団体は堂々と分配手数料を取ることができるのですから。

その仕組みを理解できていないと、とても恥ずかしいことになってしまいます。

音楽業界とは無縁の素人さんならイザ知らず、ミュージシャン(しかもプロ)がこんな馬鹿げたこと言ってるのを目にするとガッカリします。

コンサート、ライブに出演して自作品を演奏・歌唱することがあっても、コンサートの主催者やライブハウス運営者が許諾申請~使用料を支払います。

テレビ、ラジオに出て演奏・歌唱するなら放送局が許諾申請~使用料を支払います。

ネット上で演奏・歌唱を投稿する場合でも、予めSNS、UGCサービスの運営事業者が許諾申請~使用料を支払ってくれているので、投稿者は難しいことは気にせずに投稿を楽しめます。

CDや各種デジタル音楽配信サービスで音源を販売する場合は、レコード会社やデジタル音楽配信サービスの運営事業者が許諾申請~使用料を支払います。

こうして現実を知るなら「自作品に自分で許諾を申請~使用料を払う機会」なんてものは、滅多にあるものではないことがよく分かります。

また、JASRACと契約する音楽作家自身が主催するコンサートや自主企画での音源発売を行う際には「自己利用要件」があり、許諾申請をしても無料で使うことができる制度も存在しています。←僕自身、自己利用で無料となる制度なんて一度も使ったことがありませんけどね。

JASRACと契約している音楽作家は自作品の自己利用の機会などはほぼ皆無でしょう。

それよりも圧倒的に第三者に楽曲利用される機会が多いのです。

楽曲利用者は今や日本国内に限らず全世界に広がっていますので、世界の著作権管理り団体との相互管理契約(外国作品の楽曲利用を自国作品と同じように互いに管理しあう)があるJASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)に作品管理を委託しておけば世界中での楽曲利用の機会に集金をしてきてくれます。

その手数料は「たった11%」ですので、例えば年に100万円分の楽曲利用がある音楽作家なら11万円の手数料で全世界での楽曲利用を管理~集金してくれています。←月に1万円以下の報酬ですからバイトすら雇えない報酬額。

SNS、ブログ、noteなどで「著作権管理団体と契約する際のデメリット」みたいなことを書いてる人が居ますが、そのようなことが平気で書けてしまうような人は音楽著作の実務経験が全くない人でしょう。

楽曲利用の際に使用料の支払いを求めたりしてると自分の首を絞める?

などという見当違いも甚だしい意見を目にする機会もありますが、第三者に楽曲が利用される際に対価を求めているのは私たち音楽作家自身の意志です。

タダで広く楽曲を利用させることで宣伝になる?

なんていう見当違いも甚だしい意見を目にする機会も有りますが、商品代金と広告宣伝費は別次元です。

コンビニで売られてるパンをレジで清算もせずに勝手に持ち帰り(この時点で窃盗罪)店の前で食べてやることで宣伝になる?なんて馬鹿げたことは誰も言いませんよね。


宣伝が目的であったとしても、値札を付けて売っている商品はレジで清算して商品を正当に購入した上で、アナタの振る舞いが「宣伝になる」との確信があるなら、広告代理店にも掛け合ってみてください。

アナタの振る舞いによって、どんな層への訴求が実現し、どれぐらいの宣伝効果が得られるのか?具体的な数字にして示すことができますか?

もしアナタの振る舞いに広告価値が認められる媒体であると評価してもらえるなら、いろんなスポンサーがこぞって広告を出してくれることでしょう。

「宣伝になる」というなら、そこから始まる話しですよ。

私たち音楽作家自身が自らの意志で著作権管理団体に楽曲管理と集金をお願いしています。

実際にはデメリットなんて皆無なのですから。

今日は「恋するニワトリ」をV-Accordion FR-8Xの独奏にて。

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