先日、ちょっと変わったコンサートに行ってきました。
J.S.バッハのゴルトベルク変奏曲をオルガンとチェンバロで聴き比べてみよう、というもの。
使用した楽器はこちら。
チェンバロは蓋の内側にも美しい絵が描かれていて調度品としても見応えあり、ですね。
写真左→
ポジティフ・オルガン:M.ガルニエ・オルガン製作所(フランス)劇場所有
写真右→
チェンバロ:カルスベーク制作(オランダ)
2段鍵盤フレミッシュモデル
ポジティフ・オルガンは床置き型のパイプオルガンでパイプに空気を送って音を出すのに対し、チェンバロは弦を弾いて音を出します。
ゴルトベルク変奏曲は冒頭の〈アリア〉の低音が主題となり、変奏するごとにカノンの度数が開いていく構成になっているなど、全体の見取り図を解説しながら2台の楽器を交互に弾いてくださいました。
最後の第30変奏にはクオドリベットと書かれていて「キャベツとかぶ」という歌が用いられています。
クオドリベットとは、皆で短いメロディの歌を即興で歌い合うことで「キャベツとかぶ」は民謡もしくは当時の流行り歌だったらしいです。
言われてみると、何か親しみやすいメロディのような。
音楽一族のバッハ家の宴会では、お酒が入ってくると即興でクオドリベットを楽しんだことが文献に残っているそうです。
なんてハイレベルな宴会芸(笑)
こっそり覗いてみたいですよね〜
チェンバロは音がパラパラと降り注ぐ感じと、弾いた音の消えゆく余韻がたまりません。
オルガンは管楽器的ですから笛に近い音色。
一味違ったゴルトベルク変奏曲でした。
〜ご興味のある方へ〜
鈴木優人さんの演奏を紹介させていただきます。ゴルトベルク変奏曲よりアリア、第21変奏、第30変奏、ふたたびアリアです。
お・し・ま・い。