今年から夏は必ず戦争に関する本を1冊は読もうと思って、【いしぶみ】と【私は魔境に生きた】を
買いました。いしぶみは読み始めるとすぐ涙が止まらなくなるので、まだ全部読めてません(T_T)
私は魔境に生きたは、アマゾンで検索中に偶然これに出逢い、ビビッときたので読みました。
私は魔境に生きた―終戦も知らずニューギニアの山奥で原始生活十年 (光人社NF文庫)/光人社
- ¥1,000
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横井正一さんのパプアニューギニア版です。ジャングルで隠れながら、終戦を知らず10年も
生活していた兵隊さんの話。当初は20人近かった同朋がマラリアや病気、銃弾に次々倒れていく
様子は、何度も辛い気持ちで読みましたが、この本、まったく当時を美化せず、セピア色にも
塗り替えず、かといって悲観的にも書かれていないのです。
ただ淡々と当時を振り返って書いているようです。文章に関しての素人が、当時を日記の様に
語っている。それが返って生々しい。読みながら、遠い昔のことではないような気さえしてしまう。
この本を読んている間、一貫して人間の底力、人間の奥に眠っている力を感じました。
どんな逆境においても友を守り助け合う、日本男児の強さと温かさを感じていました。
本当に生き抜かないといけないという気持ちが真っ直ぐに伝わり、その姿が励みになり
仕事に行く時にはやる気を、帰る時には癒しをいただきました。
ジャングルで何もかも失ったところから開拓をはじめ、途中、敵に見つかり何人か殺され・・・
原住民に見つかって交流を持ち始め、原住民のナイフなどを作ったり切れる様にしてやったり、
作物をお土産に持たせてやったりと、非常に丁寧に接していく姿は
『これぞ日本人の大きく豊かな心』と思わずにはいられませんでした。
手作りのカレンダーをめくりながら、友軍を待ち続け、大晦日には大掃除をし、元旦には
祖国日本の方角に手を合わせる。
とても辛い体験の連続の本なのですが、彼らを通して私は日本民族を誇らしく思いました。
彼らが10年生きながらえたことは、若いながら農業経験があったり、鍛冶屋が近くにあって
仕事ぶりを見たことがあったり、いろんな体験に基づいた生きた情報を持っていたことかも
知れないと思いました。
原始人が短期間に進化する如く、さまざまな道具をどんどん作り上げていくのです。
その創意工夫が出来る頭の中の引き出しの多さには目を見張るものがありました。
今、すべての仕事が我々の日常生活と遠いところにあり、実際に見たことも経験もなく
パソコンがなければ何も出来ないようにされてしまった現代の日本人には無理だと思いました。
日本に返される時が来て、30年先じゃないと実をつけない椰子の実を、原住民のため、そして
日本人がここに居たという証のために植えていくんですけど・・・栄養失調の体で・・・・・
涙が出ました。
私はこういう素晴らしい方々と同じ民族であって、子孫なんだな~と思うと、いつもよりちょっと
頑張れる気がするのです。
この本は、私は是非国民のオススメ図書にして欲しいと思います。
老若男女、多くの方々に読まれることを心からお祈りします。