記憶10 緊急事態 | アダルトチルドレン時々日記

アダルトチルドレン時々日記

機能不全の家族の中で育ち、その後遺症を人生上に色濃く残し、一般常識とまともな生活を知らず、悲観的なことを言いつつ能天気な性格でふらふら気ままに流転の人生を送っております。魂の病気と共存し狂気と正気を往ったり来たりする日常を徒然なるままに書き綴ります。


最近、しょっちゅうレイカ姐さんがうちに遊びに来るようになった。 
ヤクザに通じる芸能人の妹分で・・・彼氏はヤクザで懲役中だとか・・・

元ファッションモデルで、いい学校も卒業していて、モデル業界では随分仕事をしてきたらしい。

一般人にはいないレベルの、とてもキレイな顔立ちの彼女の存在自体が過去の栄光を語っていた。


彼女の家に遊びに行った時に、彼女はクローゼット一杯に詰まった、過去の武勇伝を沢山見せてくれた。

有名な女性誌に登場してたり、大手メーカーのモデルの仕事をしていた。 

私もモデルクラブに入っていたが、自分は3流モデルを自覚していたから、彼女の仕事は目を見張る

ものがあった。 

それが・・・今は高級クラブの大御所ホステスで、日常的にドラッグをやっていた。 珍しい話ではない。


そんな彼女がうちにちょくちょく遊びにくるようになった。 

世間を何も知らない人生の青二才の私は、麻薬とチンチロリンだけ知っていた。


ある日、コ〇インを吸いながらチンチロリンをしていた。

しばらく時間がたった時、アイツが立ちあがりおもむろに箪笥の上の長細い箱を取り出した。

・・・こんなところにまだ日本刀があったのか・・・・・ アイツは無言で手入れをし始めた。

光り輝く刀の刃の前で、コ〇インで潤んだ目をして、ゆっくりといつくしむ様に手を動かすアイツに

何か呪術的なものさえ感じ、背筋が寒くなるような気がした。

レイカ姐さんは何食わぬ顔で、モデルの時の話を私にしたり、他愛もない話を私にしてくれていた。





「ちょっと、リュウジ! この子一晩借りてくよ!!」



突然、レイカさんが私の手を取り、無理やり玄関に引っ張っていき私を外に連れ出した。

何だか分からなかった私はただされるがままにレイカさんに従った。 寝巻のままでサンダル履いて・・・



しばらく歩いてレイカさんが口を開いた。

「アンタ・・・リュウジの目が据わったら逃げなきゃダメじゃない!それが心配で最近様子を見に来てたのよ」

「・・・・・・・・・・・・・」

「黙ってて悪かったけど、実はアンタの前に、私の友達がアイツと付き合っていたのよ」

「あ・・・そうなんですか・・・」

「その時、やっぱり、リュウジがああいう状態になったらしくてね・・・無言で斬りつけられたのよ。

幸いすれすれのところで掠ったらしいけど・・・それで友達は恐くなって逃げたのよ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「やつ・・・目の据わり方が以前よりもひどくなってるみたいだね・・・相当ヤッてんでしょ・・・・

昔からだったけど・・・あの目はヤバイね。 リュウジ、いい奴だけど、殺してるからね・・・・・

やつが毎晩ああなるんだったら、夜はいつも私んとこにおいで。うちにも楽しいモノが沢山あるよ」


心の中でレイカさんに言った。

「心配してくれてありがとう。 もう・・・私も斬りつけられた・・・殺されるかと思ったよ・・・」



人を殺し、懲役6年、シャバの生活はまだ1年弱・・・・・・・・・アイツはこんな男だった・・・・・・・・・・・・



私は、アイツとレイカ姐さんの家を行ったり来たりで・・・さらに、大量のドラッグを浴びることになる・・・・・

朦朧とする意識の中で、私の当初の希望通り・・・・時間が溶けていった。



・・・・・・・・ゆっくりと死に近づいている実感の中で・・・・・・・・・・・・・・希望通りだ・・・・・・・・・・・




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