2月22日 日本国語教育学会研究部 栃木県地区研究集会 その3 | 卯月啓子オフィシャルブログ けいこ先生の「ことばとあそぼう」

2月22日 日本国語教育学会研究部 栃木県地区研究集会 その3

2月22日 日本国語教育学会研究部 

   栃木県地区研究集会 その3

 皆様の感想「読み読み教室」を終えて



27、(小学校)読み方の意識が少し変わったと思います。考えながら読んだという気がします。質問はどう設定しているのか。読みの区切りはどうしているのか。読み読み教室の進め方も考えさせられました。集中したなと思います。先生方の発表を聞きながらさまざまな意見、感想を聞くこともおもしろかったなと思います。共感することがたくさんありました。

28、(所属記述なし)こんな短時間で長い話を読めることに楽しさを感じました。先を知らないから現時点の考えを一生懸命想像して答えることがおもしろかったです。多様な考えを知ることができました。

29、(小学校)「どんぐりと山猫」は大好きな作品なので、こんなにたくさんの方々と読むことができて嬉しく思っています。読めただけではなくて、色々な意見を聞けたこと、「こんな考えもあるのだなあ」と思えたことが良かったです。読み広げにつながるこの「読み読み教室」は、明日からもできることだと思います。指でなぞりながら聞きながら想像しながら読むということはかなり頭を使うことでくらくらしています。宮澤賢治作品でほかにできないかなと考えています。今日はありがとうございました。楽しかったです。

30、(小学校)緊張感が一時間続き、自分で頑張ろうと思いながら取り組むことができた。意見もテンポよく出てきて自分の中の意見とは全く違うもの、似たものと一つの物語の解釈に広がりが出て、本当に楽しい時間だった。実際に意見を話すときはドキドキしましたが、とても気持ちの良い経験でした。読書の楽しさ、交流する楽しさを十分に実感し今度教室に戻って実践していきたいです。意見を自由に発言する楽しさはこれまで経験させてあげられなかったのが、子どもたちに申し訳ないと思いました。

31、(小学校)いつ自分の番がまわってくるかとドキドキしながら話を聞いていました。「あてるよ」と言われての発問のとき、こんなドキドキを子どもたちも味わっているのですね。でも、気持ちの良いドキドキです。これから自分の教室でどんどん「全員あてるよ」の授業をしていきたいと思います。楽しかったです!!でも、その考えは違うのでは?と思う意見もありました。違う意見の方との話し合いもしてみたいと思いました。

32、(小学校)予想していた講義よりも、はるかに面白かったです。卯月先生の早口で範読していくのも予想よりはるかに速く驚きました。これだけの短い時間でこんなにも楽しい授業ができるというのは本当に目からウロコできた。私が持っているクラスでも実践したいと思いました。国語科の授業で、教科書にある題材でこれを行うのは、テストで知識・理解を問う設問があるため難しいかもしれないと思いました。ただ、指でなぞったことと全員発言することはすぐに取り入れてみたいと思います。(挙手ではなく。)本日は楽しい講義を本当にありがとうございました。

33、(小学校)絵本を見た時は長いお話だなと思ったが、あっという間に先生と一緒に読めた。また、早口なので頭に入るのかなと思ったが指で追うことで集中して読めた。一人ずつの発表で何と答えたらいいかわからない=まちがうのがいやだとつながった気がした。先生がいつも笑顔で受け入れてくださったので、安心して話せた。人数が多い時みんなの(他の人の)意見は絶対に聞かなくてはならないのか、聞いても聞かなくてもいいのか?読んだ後なんだか「正解」が知りたくなった。「正解」はないのだけれども・・・先生のことが90分で大好きになりました。とても楽しかったです。自分も先生のような授業がなんだかできそうで、できなさそうです。むずかしい。でもやります。

34、(小学校)短時間で五つの発問に答え、考えることができたことに驚きました。時間をかけるほど楽しくなくなっていく読解への考え方をもう少し勉強したいと思いました。

35、(小学校)読み読み教室では90分間、脳がフル活動するので(集中するので)かなり疲れるのではないかと思いました。しかし、それは子どもにとって心地よい疲れ加茂しれません。どんな発言をしても肯定されるという安心感もあります。交流の楽しさも味わえます。「多読の必要性」はとても痛感しています。これを積み重ねていくことで、一人で読める子が育っていくと思います。また、教師が選書や発問について研究する必要があるのではないかと思いました。この指導を毎日シャワーのように子どもたちに「あびせたいです。

36、(金子守先生・・お名前を出すことをお許しください。)読みをいくつかの部分に切っているが、そこからあらすじぐぁかり、読みをふくらませるものをかんじさせるところがあり、同年齢集団の読みの限界、広がりを知り尽くしたしかけ(意図)があり、こういう主体的学び、集団での思考、交流が読みの楽しさをうんでいるのだろうか。一つの読みにこだわらない多様な読みを認めているから、のびのびとできるのだろう。料理法はいろいろあり、仕上がったさまざまな料理を皆で楽しんで読めばよい。そういう経験から料理のなんたるものを知るのだろう。

37、(小学校)本日は楽しい教室をありがとうございました。「本を読むことは楽しい」と感じられる教室でした。「どんぐりと山猫」を読んだ児童で、「難しい」と一言つぶやいた児童がいました。「正しい答えはない」友だちと感じたことを交流する読書を行うことは、読書を好きにする最高の方法だと思いました。子どもは自分の意見を伝えたり友だちの意見を聞いたりすることが大好きです。読書を通して、友だちのことを受け止めたり認めたりすることができそうです。これからも子どもたちと読書を楽しみたいと思います。

38、(小学校)途中で区切ることで、メリハリがつくと思った。この先どうなるんだろうと引き込まれるようになった。大事なところで線を引きたくなった。スピード感があって、楽な部分もあるが「ちょっと待って」と言いたくなった。→もっと考えたいな。近くの人と話をさせてもらいたくなった。

39、(小学校)初めて読み読み教室を受けて、こんな本の読み方もあるのだとびっくりした。やはり、質問が肝心だと思った。正解はないが考えさせられ、誰もが答えられる質問がすばらしいと思った。そして、全員が答えるといろいろな感じ方があるのだなとあらためて
感じた。

40 、(大学院生)緊張感をもって読み進めることができました。始めは音読の速さについていくのがやっとでしたが、次第に慣れてくることがわかりました。先生の発問はどういう観点で作っているのか知りたいと思いました。新しい読み方で新鮮でした。ありがとうございました。


41、(小学校)学習中、ずっと集中して読み、考えていました。久しぶりに宮澤賢治の作品を読んで、また、他の作品も読んでみたいと思いました。全員の意見、読み方を聞いて、
みの交流って楽しいなあ。この気持ちを学級の子どもたちにも体験させたいです。


42、(小学校)どんぐりと山ねこと一郎の関係について考えられる時間だったと思います。場面を区切って読み、その内容を学んだところで質問が入ったので、内容を確認するとともに、次々と発表された方の考えに耳を向けると、もっと深く何かあるんだろうと頭の中で考えられます。指なぞりをするということは子どもと同じで、内容を入れようとする行為です。


43、(大学院教授)スピードをもって読むことによって参加者の緊張感を高め、思考を活性化させることの手法としての面白さがある。ただ、後半になったら少しゆっくり読んでも
いいのかと思った。イメージ化のスピードはやはりゆっくりだと思う。一読総合法的な側面もあるが当然違う。読みの交流を研究してきたところからすると、友だちの考えとの違いや類似点について本文に立ち戻りながら少し詳しく交流する時間もあっていいのかなと思った。授業をして組み立てる時には、変化も必要になる気がする。


44、(大学院生)エッセンスとして取り入れたい箇所はありました。問いが的確なのが、本当にすごいと思いました。この部分についても教えてほしいです。「話す→話す」といった直結した能力育成は一部ではありますが、全部ではないと思っています。話す相手を変える(意図的)というのは、とても勉強になりました。大村はま氏の実践で、できない子でも教室で輝けるようにしたいというのを思い出しました。


参会者の皆様、「読み読み教室を終えて」という感想をありがとうございました。その中で質問されたこととその時私が答えたこと、さらにこの研究会で私が思ったことを書きます。明日からの教室や子ども理解に少しでもお役にたてたら幸せです。


1、なぜ早口なのでしょう。普段、鉛筆で大切なところを線で引かせています。そうやって、ゆっくりした雰囲気で、わからなくなったところは戻ったり、線で思考を可視化したりして読みの方略を継続して鍛えてきました。読書としてはいいですが、何でもありの読みは国語科ではダメなのではないでしょうか。


答え

早口なのは、私の現在の立場にあります。退職後、担当す
る子どもたちや教室がありません。人から恵んでもらった時間でやらなくてはなりません。それで、最高にいただける時間が2時間、つまり、90分間ないし、休憩時間もいれると約100分間しかな
いのです。低学年はもちろん45分間しか持続しないのでその時間内にやります。そういう事情です。現職の先生方は時間も形態もいくらでもアレンジしておやりになるとよいのではないでしょうか。


線を引いて読むということは、子どもにとっては簡単なことではありません。よく、先生たちは「大事なところに線を引きなさい。」「大事な言葉にしるしをつけなさい」といいますが、その指示で的確にできるのは学級内で何人の子もいないでしょう。私も若いころよくそういう指示を出して「なぜ、この子は何でもかんでも線を引くんだろう。これじゃかえってわからなくなっちゃうだろう。」と嘆いたことがありました。子どもに聞くと、「大事なところ」というのはそもそも何だというのです。そうですよね。どんな観点かも示さないし、示したとしても「主人公の気持ちが大きく変化したところ」といってもわかりません。先生に引けと言われても困るのです。大事だと思われるところに線を引くということはとても難しいのです。点や丸のところまでか、単語か、など、ほとんど、先生の恣意的判断でよし悪しが決まるのではないでしょうか。




2、どうやって質問を考えるのですか。また、区切る場所はどこですか。 明日へ続く。