Weather Systems / Anathema | 音楽見聞録

音楽見聞録

単なるリスナーが好きな音楽について勝手きままに書き散らかし。
CDレビュー中心のつもりが、映画や書籍など他の話題も。

久々のアルバム紹介ですが、とりあえずまずは1曲
Untouchable, Part 2 by Anathema

・・・いや、これは美しいです・・・

収録アルバムは「Weather Systems」
90年初頭から活動していたリバプールのバンドAnathema(アナセマ)の2012年発表9枚目のアルバムになります。
Weather Systems/Anathema

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元々ゴシック・メタル(これもよくわからないジャンル分けですが)の一派としてスタートしたバンドであったこと、今所属しているレーベルがポーキュパイン・ツリーのスティーヴ・ウイルソンの「Kscope」である事から察する事の出来る要素は「プログレ」と「メタル系轟音ギター」というキーワードでしょうか。

但し、このアルバムではほとんどギター・ソロがありません。
あ~ここにソロ入れた方が良いのにな~と思える箇所にすら入ってこない。
意識的に排除したのかどうか定かではありません。

ただ音圧のあるギターの轟音は入ってきます。ここが好みの分かれるところかもしれませんね。メタルの音圧に4ADレーベルに代表されるシューゲイザーのエフェクティヴなファズ音色をプラス、のようなギターです。スティーヴ・ウィルソン。

2人のヴォーカリストと作曲を担当しマルチ・プレイヤーでもあるギタリストが核となっているバンドです。

で、何と言っても女性ヴォーカリストのLee Douglasの存在が大きいかな。(と個人的には思ってしまう。)
彼女のふくよかで良く通る声が楽曲を際立たせている。語尾のふるえるようなデリケートなビブラートも良い。彼女抜きの曲もあるのだが、せっかくの素材、プログレの歌姫、ここはしっかり使いましょうよ!


このアルバムは特に叙情性を前面に押し出しています。プログレ好きの琴線に触れる部分です。オーケストレーション導入もしかり。

実は全体的にはもう少し音像が整理できれば・・・という印象があります。
テクニカルなバンドという訳ではないので、頭一つ抜きんでるためにはもう少しだけサウンドの方向性が定まると良いかもしれません。まあ、それは結局「マンネリ」とのせめぎ合いとなり、かなり難しい点なのですが。

8分でギターを刻んでいる箇所なんてどうしてもレディオヘッドやコールドプレイを連想してしまいます。

う~む。悲しいかなドラムとベース、特にベースが弱い・・・存在感が極めて薄いところが寂しいです。もっと出来ることがあろうに。
ドンシャリであるメタルからトレブルを削ったような塊の音は扱いが難しいです。

アルバムを象徴している冒頭の2曲が印象に残ります。特に記事の最初で紹介した2曲目は良い。この線でアルバム全体を押してくれていれば、という気持ちは贅沢でしょうか。

Untouchable, Part 1 by Anathema

順序が逆ですがこちらがオープニング曲のpart1
独特の静謐さを湛えた名曲。考えてみれば単純なテーマリフの繰り返しだけなんだけどね。対象から距離をおき、ベール1枚向う側で展開している印象。

Lightning Song by Anathema

この曲はリー・ダグラスをフィーチャーしたライブ映像(このライブ映像も発売中)でお届け。
素晴らしい歌声です・・・ライブだと余計な楽器の積み重ねが無い分、ヴォーカルがクリアに伝わります。

ところでこのアルバム、随所にオーケストラがフィーチャーされていますが編曲はディヴ・スチュアート、とクレジットされてます。
ディヴ・スチュアートってあのディヴ・スチュアートなの?ホントに?
もしそうならご本人のカンタベリー・サウンドは叙情とはやや異なるスタンス&アプローチですがこういう仕事もやってるんですね。

バンドは今年8月終わりに来日しましたし、久々に新しいアルバムの邦盤が出る等、明るい話題があります。がんばれプロゲレ。

しかし、「プログレ」というカテゴリーは今も有効なのかどうか不明です。
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