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リドリー・スコット監督による映画「ブラックホークダウン」のブルーレイ廉価版がようやく発売になりました。(但し、完全版たるエクステンド版ではありません。)
「ブラックホークダウン」は1993年10月3日、ソマリア内戦に介入中の国連の一翼を担っていた米軍(ビル・クリントン時代ですね)が単独で行った強襲作戦「アイリーン」の一部始終を描写した映画です。
「アイリーン」は後に「モガディシュの戦い」と呼ばれ、米軍が体験した市街戦の中でも非常に激戦であったことで記憶されることになった作戦です。
この作戦の目的はソマリア民兵の将軍であるアイディードの副官(高官)2名を強襲して拉致するというもので、当所は30分程度で完了する見込みのものでしたが、結局それが15時間以上続く激戦となってしまいます。
米軍側はレンジャー部隊とデルタフォースが作戦実行を担当します。
この作戦の肝である強襲へり「MH-60ブラックホーク」が2機撃墜されたり、(これがそのままタイトルのブラックホークダウンです。)捕えた人質や市街に展開した兵士を回収するはずのハンヴィー(高機動多用途装輪車両)が想定外の状況に後れをとったこと等から次第に当初の作戦からずれが生じていき、予想だにしなかった過酷な市街戦となります。
この映画はとにかくリアリズムに徹しています。登場人物に多少の脚色はあるもののほとんどが事実に基づき再構築されたものです。
撃墜されたヘリのパイロットを救助するためソマリア民兵に囲まれている中に降下して行く2名のデルタフォース隊員のウソだろう?と思うような行動も事実です。(彼らはこの行為によりベトナム戦争以来初めてとなる「名誉勲章」を受けます。)
しかも登場人物の内面描写は極力抑えられており、戦闘のみが客観的な視点で淡々と進んでいきます。
混乱する戦場で情報は錯綜し、適切な援助の要請も得られない。ここにはもはや善悪という視点は描かれていません。入る余地がありません。
戦闘そのものを描写しており、そこが新しくかつ非常に恐ろしい。
救いとしては米国のナショナリズムというより、デルタフォースやレンジャー部隊の「仲間」意識が全体を覆っていることでしょうか。
戦争映画では個人的に「フルメタルジャケット」「プライベートライアン」と言ったところが好みなのですがこの作品もそれらに比肩する戦争映画の名作の一つだと思います。
手元に置いて繰り返し見てしまう映画です。
悲惨な映画が好き、という訳ではないのですが、戦争やSFと言った通常とは異なるシチュエーションが生み出す緊張感の中、結局描かれるのは「人」なんだと思います。
「ハリウッド的だから」と言ってこの手の映画を一蹴する単館公開映画ばかりに価値をおく人たちは映画見てて楽しいのだろうか・・・映画には映画の、舞台には舞台の、小説には小説の役割があると思います。
ジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー、サム・シェパード、オーランド・ブルームなどが出演してます。