MYLO XYLOTO / Coldplay | 音楽見聞録

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Coldplayの5枚目のアルバム「マイロ・ザイロト(MX)」が発売になった。なぜか日本先行発売。

アルバムは冒頭の2曲「MYLO XYLOTO」~「HURTS LIKE HEAVEN」の疾走感にまず惹かれる・・・


あいかわらずカッコ良い。そしてこれまでにない手触りを持ったサウンドプロダクションもある。これがブライアン・イーノが参加した成果なのだろうか。

アルバム全体を聴いてみての感想・・・キラー・チューンも含まれておりもちろんグレードは高い。
コレも売れるだろうね。

ただ不足も感じている。基本的なサウンド・コンセプトが前作「美しき生命」と変わらないから。
中核に置いた曲が四つ打ちのリズム、というところも一緒。
短いインスト・ナンバーを挟み込みアルバム全体をコンセプトで繋ぐという手法は前作と一緒。
また、曲がかならずしもAメロ、Bメロ、サビ~という循環構造を持っていないという基本的なスタンスも前作と一緒。

「美しき生命」は結局世界で3,000万枚以上を売り上げたらしい。そんなモンスター・アルバムの次を作るという作業がどれだけのプレッシャーの元で行われるか想像するとゾッとする。さすがのクリス・マーティンもその呪縛から逃れていないのか、という印象を受けた。

「踏襲」こそが安全パイ。保守的なリスナーには受けるのかもしれないがこのバンドにはどんどん進む何かを期待してしまう私のようなリスナーには正直ちょっと物足りない部分がある。

前作と今作の関係はキング・クリムゾンの1st「キング・クリムゾンの宮殿」と2nd「ポセイドンのめざめ」の関係を想起させる。
アルバム「ポセイドン」にはもちろん佳曲もある。一曲をとりだしてみれば水準の高い曲もある。ただ、その存在において構成が完全に前作の支配下にあるため、結局のところその作品世界には息苦しささえ感じてしまう。聴いててイタい部分がある。

何となくそういった印象を受けるのは私だけだろうか?3rd「X&Y」と4th「美しき生命」がお互いに個の作品として屹立しており必然性すら感じる事に比べると今回のアルバムはやや弱い。初めて「大きな前進」を止めてしまったという印象を受けた。

楽曲の端々からもたまに「美しき生命」が顔を出してくる。まあ同じ作曲者なのだから良いのかもしれないがそう言った事からは悲しいかな才能の枯渇というものを少しだけ感じてしまう。

クリス・マーティンのソングライティング能力は素晴らしい。もっと素直に作ってみても良かったんじゃないかとさえ思ってしまう。本当は3rdアルバムに近い雰囲気になるのかとも思っていたのだが・・・
1曲に集中するエネルギーはやや低下しているのか・・・

などなどと文句を言いながらも聞いてます。作品として水準以上であることは間違いないので。

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