
とりあえずこのジャケットに目が止まりますよね。水中の人魚か?内容のサウンド同様本当に美しいジャケットで惹かれます。
ENIDの2ndアルバム「エアリー・フェアリー・ナンセンス」。正にシンフォニック・プログレの至宝とも言える作品です。もはやプログレという枠には収まりきらないサウンドと言えるかもしれません。
ENIDの中心人物はキーボード類やほとんどの作曲を担当しているRobert John Godfreyです。この人の存在や立ち位置がイコールENIDそのものと言えるでしょう。
このアルバム・・・というかENIDの1st、2ndは色々といわくつきのアルバムです。この2ndは契約の関係上、1977年に録音されたオリジナルマスターテープはそのままCDに使用することができず、84年に新たに録音されたものが長らく作品としてCD流通しています。いわゆる利権関係のゴタゴタですね。
が、今年2010年6月にアビーロード・スタジオでCheistian Curtisの手によりオリジナル音源からの正式なリマスタリングが実施され、EMIから再発となりました。利権関係は整理されたのでしょうか?(・・・のはずだが、この情報で合っているのだろうか?今ひとつ自信なしですが・・・)そんな経緯なので私も2010年9月終わりに発売になった下記の盤を入手しました。
これまでにもInner Sanctumレーベルから発売されていた事もありますが、それは再録であったりまたオリジナルだとしてもレコード盤からおこした粗悪なもので、ENIDのメンバーからは海賊盤扱いされたりと様々な種類のものが出回っているので購入時には気をつけて下さい。曲順・曲名が異なるものもあります。そういう意味ではとりあえず今回のCDはオリジナルの決定版になるのではないか?と思っています。
1曲目の控えめな短いご挨拶に続いて、2曲目ではじけるのが華麗なるワルツ「Mayday Galliard」です。この曲でまずやられました。そしてその後深く響く佳曲、アルバム中でも一番ロックを感じる1曲を挟み、クライマックスとも言える長尺の「Fand」組曲へ流れ込む。Fandは華麗な印象の1とアルバム中一番静寂と叙情性を感じる2とに分かれています。(もちろん2も味わい深いけど個人的には1が好き!)
ここで聴くことのできるサウンドは、サウンドトラックとも違う。クラシックでも無い。だけど「シンフォニック」という形容以外の言葉が出てこない。明らかにクラシックの作曲手法を用いながらもドラムやエレキが鳴り響きロックである事を再確認させられる瞬間がある。しかし最終的につれて行かれる場所はロックのカタルシスというよりはシンフォニックな味わいと感動です。そんな唯一無二のサウンドです。
そんな訳でロックのフィールドから彼らを見るとどうしても中途半端な印象が残るかと思います。何故、彼らはロックの楽器を用いてクラシック音楽を再現しようとしているのか?必然性はあるのか?単なる再現でしかないのか?・・・疑問はつきませんが、やはり彼らが演奏しているのは「ロック」です。
まあ形態はどうあれ私にとってこれらが"good music"であることには変わりありません。
ENIDの楽曲にはマーラーやブルックナーに通じるものを感じる、と論評している方もいるようです。 確かにFandの1はマーラーの交響曲に近い瞬間もあります。
Aerie Faerie Nonsense/Enid

¥1,716
Amazon.co.jp
雰囲気だけでも・・・79年のハマースミス・オデオンでのライブです。ボレロ調で始まる3rdアルバムの曲