DIANE BIRCH LIVE 渋谷クアトロ 09/12/09 インプレッション | 音楽見聞録

音楽見聞録

単なるリスナーが好きな音楽について勝手きままに書き散らかし。
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さて、12月9日、ダイアン・バーチの渋谷クアトロでのライブ行ってきました。


当初ひょんなことから、ろうずさんと行く予定だったのですが事情によりろうずさんのご友人のwakuwakuさんとご一緒させて頂きました。ありがとうございました~!人間思わぬところで知己を得るものですな(^^);;。


入場順が60番台だったため、クアトロではいつものスイートスポットたるお気に入りポジションをゲット。落ち着いて聴くことが出来ました。


今回はダイアンの演奏時間がやや短めなためかオープンニング・アクトが準備されてました。全く知らない「マット・カーニー」。しかし彼、実は持ち歌がTVドラマに多く使われ中でも「グレイズ・アナトミー」ではシーズン毎に各曲が挿入歌になるほどの人気とのこと。


ギターorピアノでの弾き語りで数曲を披露。マット氏も本当はバックにドラムやキーボードが入っているつもりで聴いて欲しい~ような事を言ってましたが、あまり楽器抱えての弾き語りは得意では無いようでした。ピアノの時は歌詞飛んでましたし。Voも恐らく米国にはこのレベルで歌える人が山のようにいるんだろうな~なんて事をぼんやりと・・・まあ、マット氏の話はさておき・・・


そうこうするうちにダイアン・バーチの登場でございます。

いや、この日当日券を販売したようで満員にもかかわらず登場と同時にぐぐっと背中を押されました。


前日の心斎橋での黒ずくめ衣装と対比するかのようにこの日は「白」を基調にしたファッションで登場です。いや彼女は絵になりますね・・・左手に置いたピアノと正面向きに置かれたエレピに交互に座りながらのステージでした。正面のエレピはやっぱり皆さんが言うようにフェンダー・ローズだったのかな?(ウーリッツァーが良かったなあ・・)


1曲目が、なんとねえ「Forgiveness」でした。これを1曲目に持ってくるセンスが最早新人ではありません。もちろん分厚いコーラス隊やホーン・セクションなんて入りません。よりゴスペルチックに歌い上げてくれました。


彼女の地声はCDで聴くよりかなり力強い。倍音をたくさんふくんだ豊かな響きを持っていました。そして何と言っても堂々とした自信に満ちた佇まい。正しい音楽をやっているという自負なのでしょうか。

勢い余ると鍵盤から手が離れ上空で振り回す仕草が印象的です。


ソングリストは次のとおり(・・・であってるのか?)でほぼアルバム全曲演奏です。


1.Forgiveness
2.Choo Choo
3.Nothing But A Miracle
4.Ariel
5.Fire Escape
6.Every Now And Again
7.Magic View
8.Dont Wait Up
9.Mirror Mirror
10.Rewind
11.Fools
12.You Dont Know How It Feel/Ive Got A Feeling/You Don't Know How It Feel
13.Valentino

encore
1.Jingle Bells
2.Photograph


*13はトム・ペティ~ビートルズ~トム・ペティ(~ビートルズ)



私の場合、印象的だったのは割とかっちり演奏された有名な「Fools」や「Nothing But A Miracle」よりそれ以外の曲でフリーフォームな入り方をしてバック・バンドの制約を受けずにジャジーな演奏していた曲でした。その表現力は正に彼女の真骨頂ここにありという印象でした。そして条件さえ揃えばもっと怪しくグルーヴする黒いフィールが出せる人なんだな・・・と。

演奏された曲では「Fire Escape」「Rewind」「Photograph」などが強く印象に残っております。


う~む・・・グルーヴィーな彼女を阻害し、ややロックよりの方向へ誘導しているのはもしかしたら今回はバック・バンドなのかもしれません。今回来日に同行したバック・バンドの演奏レベルはどうなのか?もちろんレコーディングメンバーとは異なりますが、すみません、これは極め~て個人的な印象なのですがダイアンにレベルが追いついていない、という印象を持ちました。

特にドラムとギターはもう少しなんとかできないものなのか?ええ~ここのバックで単純な8ビートを叩いちゃうの?ここでこのギター?その音はないでしょ?という場面が残念ながら結構ありました。(歌の邪魔になった部分もあり)・・・シンディ・ブラックマンやレニー・ケイなどと比較してしまうのは申し訳ないのですが・・・


逆に日本版CDのみにボーナス・トラックとして収録されていた曲「Every Now And Again」と「Magic View」。原曲は2曲ともストリングスがかなりフィーチャーされているのですがこれを彼女は2曲続けてピアノのみで弾き語りしました!いやこれぞシンガーソングライターたるお姿!全曲が彼女のリズム感に支配された心地よい瞬間でした。なんだか横から見ると若き日のケイト・ブッシュのような面影も・・・


結局のところ作品としてCDに収められた記録たる原曲たちはもはや彼女にとっては単なる素材でしかなく、ダイアンにはそれをステージで再現するという思いは一切なく、それらを元ネタとして新しいサウンドを構築しようという強くも柔軟な意志が垣間見えました。


今回感じたポップスやロックのフィールよりは更にジャズやR&Bの要素を深めて行くとすればいやはや一体どれだけのアーティストになることか。20代中盤の恐るべき才能を体験できた事は非常に貴重な体験でした。


トムペティの間に挟みこんだBeatlesの「I've Got A Feeling」(曲のエンディングもしっかりI've Got でしたね~)、そしてアンコールで演奏したブルージィーで楽しい「ジングル・ベル」。


キャロル・キング~ローラ・ニーロ~リッキー・リー・ジョーンズ~スザンヌ・ヴェガ等々と続くシンガーソングライターの系譜にまた新たな1人が加わった。ライブ終了後、後ろにいた男性が思わずはなった「・・・天は二物を与えたな・・・」という感嘆のため息含みの声が全てを物語っているようでした。これを体験できた皆さんは幸せ者です。


クアトロではよくあるライブ後のサイン会、今回はなしでした。邦盤CD購入者にCDサイズの直筆サインが配られていましたがさすがに同じものを2枚購入する気にはなれず今回はパスです。