- Lizard/King Crimson
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年末になぜか風呂場のペンキ塗りをしながら久しぶりに聞き返した作品。
70年代クリムゾンの中ではポセイドンと共に大方の評価は低い方の作品だと思います。でも私は好きなアルバムなのでたまに引っ張り出して聞いてます。
評価の低い一番の理由はヴォーカルのゴードン・ハスケルの一見覇気が無く聞こえるヴォーカルによる所が大きいのかもしれません。グレッグ・レイクと比べてしまうと覇気なく聞こえるのは仕方ないよね。全く傾向が異なるヴォーカリストだから。
このアルバムもご多分にもれずこのアルバムだけのメンバーで録音されている。
キース・ティペット・グループが全面的に加わり、またドラムは後にグリーン・スレイドに参加するアンディ・マカロックが担当。次のアルバム「アイランド」に向けてアンディもクビになってしまうが、こればかりはフリップの真意がわからなかった。
繊細なドラムならやはりこの人がイアン・ウォーレスよりははるかに適任だったと思う。(アイランド録音時からあの野放図なアース・バウンド系の音楽を想定していたとは思えないし、あれはフリップのコントロール下にはない。)
さてこのアルバムの内容だが、1曲目の「Cirkus」は素晴らしい。フリップの弾くアコースティック・ギターがまるでハープのように響く独特の奏法。メル・コリンズの抑えたソロもさすが。
「Indoor Game」と「Happy Family」はちょっとフリー・ジャズっぽい要素を表面に出したポップな曲。続く「Lady of the dancing water」は一生懸命にファンタジック系クリムゾンを再現しようとしているがどこか空回りしている小曲。メル・コリンズのフルートだけは聴き応えある。
レコード時代にB面全てを占めていた組曲「Lizard」。イエスのジョン・アンダーソンが組曲初頭のヴォーカルをとっている。
でも、何と言ってもこの曲の白眉は昼間部のコルネットから引き継がれるロビン・ミラーの吹く「オーボエ」につきるなあ!誰が何と言おうと美しい。この後にトロンボーン等で展開されるフリーフォームっぽい演奏に移行しなくても良いからもっときかせて欲しい!(・・・と思っているとまたオーボエの旋律が戻って来るんだが、でも足りない。)
このあたりの展開を各ミュージシャンにまかせるのではなく、もう少しコントロールしていれば、「Lizard」は更に締まった名曲になったのではないだろうか?
ここに感じられるある種の中途半端さは実はフリップ自身の方向性の迷いのせいではないだろうか。様式美に貫かれた部分とインプロビゼーション的展開を希求する部分。これらの整理が今一つであるがゆえ、各ミュージシャンの関わり合い方も手探り状態になっている。
このことは次のアルバム「アイランド」まで引きずられ、「太陽と戦慄」で解決する。
プログレというジャンルで良く使われる楽器にメロトロンやフルート、ヴァイオリン等があるが私はオーボエに弱いなあ~。オーボエ奏者がメンバーにいるというだけで購入したアルバムもある。(これで購入したジャズ・ロックの「タイタス・グローン」はちょっと失敗)ロキシー・ミュージックのアンディ・マッケイでさえオーボエを吹くときは知的に見えるぞ!
Andy McCulloch (drums), Gordon Haskell (bass, vocals),Mel Collins (flute, saxes), Robert Fripp (guitar, mellotron, electric keyboards,devices),Peter Sinfield (words, pictures)・・・とここまでが正式メンバーか?
Robin Miller (oboe, cor anglais),Mark Charig (cornet),Nick Evans (trombone),Keith Tippett (piano, electric piano),Jon Anderson (vocals) がゲスト・ミュージシャン
でも好きなアルバムです。