- ベーム(カール), ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, モーツァルト
- モーツァルト交響曲第40番&第41番
モーツアルトを洋楽ジャンル扱いとは失礼はなはだしいが、仕方ない。
モーツァルトの交響曲第40番と第41番<ジュピター>のカップリングCD。指揮者はカール・ベーム、演奏はウィン・フィルハーモニー管弦楽団による1976年4月の録音盤だと思う。私の持っている盤とはジャケットが変わっているのではっきりしないが、晩年のウィーン・フィルとの競演ならば恐らくコレであろう・・・(無責任)
これらの曲には私ごときが最早付け加える点などないかもしれない。私はクラッシックの中でもモーツァルト、その中でも特に交響曲に非常~に惹かれる。
思うにこれを遡るバッハなどの時代のバロック音楽にあった気持ちよさというのは対位法による旋律の上昇下降のからみあいの面白さというのか、敢えて表現すれば二次元的な音の「運動」の軽快さを堪能する所にあったのではないだろうか?
だとすれば、モーツァルトの気持ちよさはその音の「運動」に更にもう一つのベクトルを加え、音が三次元的に展開されているところにあると思う。バッハが旋回運動であるとするなら、モーツァルトのそれは螺旋運動の音楽という印象がある。それもぐるぐる果てしなく上っていく。
モーツァルトの曲、特に交響曲は聴く度に螺旋を描きながらぐんぐんとどこまでも上昇して行くような飛翔感を体感させてくれる珍しい音楽。とにかく気持ち良い~。
特に41番の第4楽章は偉大でそれを顕著に感じる。正に天国に向かって開かれた音楽のようである。
テーマに使用されている4つの音には、ある解析によればその配置が音楽的なだけでなく力学的な構造をも併せ持っているとの話。昔、スコアを見ながらそんなもんかな~と考えたことを思い出す。この4つの音が先の螺旋運動を伴いながら展開していく様は誠に素晴らしい。感動する。
カラ○ンみたいに性急すぎないゆったりさを持ったベームの指揮、ウィーンフィルの艶やかな弦の音も最高である。至福。
難しい事を考えずにまず体感すべき。そこに新たな地平があるぞ!