卯さんは、アニメを見ないキモヲタである。

と書くと、意外と察しのいい人ほど、重度の鉄ヲタなのね、だとか、末期のAKBヲタなのね、だとか、
そう言った、アニメは見ないけれど生理的になんだか受け付けない、ヲタクの人々なのだと、
勘違いしてしまいそうなもんだが、二次元という絵に描いた餅を愛し、ちんちんをイライラさせる、
数あるヲタの中でも最高級に気持ち悪いヲタなのでそこは間違わないで欲しいのである。

うむまあ、ならばラノベばかり読んでるとか、漫画ばかり読んでいるキモヲタなのかと問われれば、
実はそれも違う。卯さんは、いわゆるそういったメディアに手を出そうとしない人間なのだ。
だがしかし、周囲は私をヲタクと呼び、気持ち悪いと切り捨てる。
これはどう言ったことかというと、そりゃ気質というか人間としての性質がキモヲタってことなんだろーねぃ。

だからさ、何かのきっかけでヲタをスッパリ止めちゃえるような人たちは違うんだ……、例えば、
エルメスのカップをプレゼントしてくれた美女と付き合うことになったら止めちゃえるような人とはさ。
それはそれで別に構わんのだけどさ、俺は俺が好きだからね。


で、そんなヲタだった卯さんですが、最近あるアニメだけは見てたんすよ。
何って、DOG DAYSね。
正直タイトルを聞いた時、マスターキートン内で、平賀キートンのアニキが、
うだるようなクソ暑い日をDOGDAYSって言うらしいっすね、なんて述べていたシーンが思い浮かんだ位で、
あんまし興味が沸かないまんま、第一話、二話……と見てるうちにもうイライラが募っちゃってねえ。
イライライライラしながら最終話まで見てしまったという、ね。

何に?
って……そりゃお前、ユキカゼ・パネトーネちゃん にに決まってるだろうがよぉおおおおおおおお!

なんでぃすかこの娘は! 狐娘だってのに、なんでぃすかこの圧倒的なおっぱいは!
いえね、これは許されざる事なんですよ。キツネスキーにとってはもう、許されざる事態なんですよ。
だってね、狐耳娘さんっていうのは、主に耳と尻尾に主眼を置くべき存在なんですよ。

冷静に考えてみてくださいよ、そりゃもう笑顔が愛くるしいロリ狐さんがいたとして、
その娘から耳と尻尾を取ってしまったらどうですか、奥さん。

ただの笑顔が愛くるしいロリっ娘じゃあないですか!

笑顔が愛くるしいロリっ娘というのは、それはそれで良いものだとは思いますが、キツネスキーが命をかけ、
例えば地雷原の中を突破してまで求めようとするものであるかというと、それは違うね! 
絶っ対に違うね! 断言してもいいねっ!

然るにこのユキカゼちゃんったらどうですか。
ふっわふわもっふもふの狐耳に尻尾を持っている……スタンダードながら、よく出来た狐耳少女です。
しかし! なんということでしょう! 彼女の特徴として強調されているのはむしろ!
その耳と尻尾のオプションであるべき、あどけなさを残した表情と対照的な、成熟した女の肉体ッ!
率直に言えば、おっぱい! あとふともも! こんなことが許されていいのかッ!

耳とか尻尾とかが揺れる回数より、おっぱいが揺れる回数が多いってダメでしょ!
許されないでしょ! よく訓練されたキツネスキー的にはどうしても許してはいけない部分でしょ!
そこは譲れない! 負けてはいけない部分なのだ!


だが……だが……敗戦より痛ましいことはないが、勝利もまた得るところより失うところ大である……。
……ハマーン様に伝えてくれ……あの乳は……いいものだと……。


それはキシリア様だろう、という突っ込みをしたい人もいるかと思われますが、
それはひとまず心にしまっておいてもらうことにしまして。
いやー、いいもんですね、狐耳のおっぱいって。
ええ? だって僕は男の子ですもの、おっぱい好きですもの。
それに狐耳スキーですからね、狐耳のおっぱいときたら嫌いな訳ないじゃあないですか!

……いいんだよ! 俺は敗戦国・大日本人なんだからさっ! 負けるが勝ちなんだよッ!

いやでもほーんと、自分がこういうキャラクターにやられると思わなかった。
でもこのユキカゼちゃんの最大の魅力って、実は"拙者"と"ござる”を駆使する独特の喋り方じゃね、と思う。

いやさ、キツネミミって知っての通り、古風キャラがたくさんいる属性なんだけれども、
大体の場合、”わし”か”わらわ”なんだよね。うん、姫様ポジションが多いんだよね。
姫様を守護するポジションって、実は結構珍しかったりするんだよ。
突発的な読みきり漫画なんかにはいたりするけどさ、それも目を引いたかな、個人的には。
それ以上になんつーか、イライラする身体しているよなあって思うのもまた真なんだけどさー。


いずれにしろ、僕はキツネスキーの看板を下ろさなければいけないかもしれませぬ。
しかし、下ろしてもいいやと思うのでありまする。
蘇妲己に骨抜きにされた肘王の気分が味わえるなら、それはそれで最早抗う気は起きぬ。



始まりはアレだ。

JR山手線沿線の、割と大きなターミナル駅を歩いていた時の事。
いきなり、後ろから猛スピードで走ってきた男に、肩掛けカバンを引っつかんで引き倒された。
幸い、カバンがクッションになってくれたので怪我は無かったが、柔道家に足払いでも掛けられたのではないか、
という勢いですっ転んだので、道行く人々の視線を集めるだけに留まらず、
外見がイケメンなら行動もイケメンなお兄さんに、「大丈夫ですか!」とか言わせてしまう事態になってしまった。
ごめんお兄さん、多分こんな駅にいるくらいだから忙しかったんだろう。すまんかった、ありがとう。

にしても、転倒させられた理由が全く分からない。今でも分からない。
スキンヘッドの君よ、一体俺の何が悪かったのかできればちょっと教えてほしいと思う次第だ。
うん、これは完全に濡れ衣なんだが、君に駅構内のタイルの冷たさを味わわされてから、
どうも俺は歯車がおかしくなっているような気がしてならないんだ。


その二日後、人生初の始末書という奴を書く破目になった。
いや、これは俺が絶対的に悪いんだから別に不幸でもなんでもない、といえばそれはそうなんだが。
詳しく書くとちょっと色々とバレそうな気配があるので、ぼかして書くが、始末書に到達するまで、
簡単に言えば5つほどチェックポイントがあり、その各チェックポイントで常に最悪の選択がされない限り、
始末書のしの字も浮かばないような状況だったのに、結果はどうだ、書いているじゃないか。
でもまあ、コレはやはりそもそもの原因を作ったのが俺だから仕方ない。諦める。
同時に、チャージしたばっかのPASMOも紛失したりしたのだが、これもまあ仕方ない、諦める。

が、転ばされてから三日後、ブランド物の傘をパクられるという事態が起きた。
卯さんはキモヲタだが、スーツは上下10万以上のオーダーメイド品を着用していたり、
ムダにブランド物の財布を持っていたりと、リアルでは無理をしている感ガモガモな訳だが、
その中の逸品、ブランド物折り畳み傘をパクられるという悲しい事態に遭遇してしまったのだ。
しかし、冷静に考えれば、俺の不注意であったと言えなくもないので、仕方ないから諦める。


転ばされて四日後、ってか昨日、携帯が振動する。1回、2回、3回……以上、ああ電話か。
卯さんの所に電話を掛けて来る人は限られている、大体5~6人。
その誰でもない、というよりは、誰だこの番号というディスプレイを確認して電話を取る。
卯さんの第一声「もしもし」、返答は女性の声、「あ、卯君」。

「今、リストカットしてるの!」

なんだその嬉しそうな声は。というか、どこで俺の番号知りやがった。
電話を速攻で切って、すぐさま着信拒否。別に、幽霊とかではないのは一安心。
知っている奴の声だ、というか元同級生だ。
別にすぐ隣に住んでいると言うわけではないが、自転車で悠々行ける距離に、そいつの実家がある。
確か、仕事は駅前のお水だったはず。俺の家は駅から3分、やべえ。
というか、番号教えたの2年前の俺だった。やべえ。


目立ったのはこの辺りだが、細かいところまで数えればいくらでも、何だかおかしい事態がある。
例えば、仕事で一日一回は話した相手にブチキレられるとか。
いや、それもまあ俺が悪いのかもしれない。悪いのかもしれないが、納得はいかない。
しかし、何れも第一声で「失礼します」とか「恐れ入ります」って声を掛けただけでキレられるのはどうなんだ。
俺が悪いんだろうか。いや、外見が気に食わないとかかもしれないからな。



しかしまあ、不幸だとは言うまい。こうして一応、エントリのネタになってるからねえ。
むしろこう、タイピングする指は嬉々として動いているわけだから、個人的には、
やった不幸だ! 美味しすぎる! 位にしか、多分思っていないんだろう。

不幸なんていうのは気の持ちよう、本当に心から不幸に打ちのめされてしまった人間は、
口も聞かないもんだろうからなあ。

アレね、本当に自殺しようとしている人間と、
周囲に自殺するぞーって触れ込みまくって、実際はちょっとだけ手首を切って、
自殺しようとしたんだ俺って可哀想だろーって言ってのける人間、そんなようなもんだね。
もちろん俺は後者だね。だからアレだ、そういう人間から電話がかかってきたんだろう、多分。

おお、類は友を呼ぶという奴だ。
幽霊って信じます?
いや、俺は信じてます。全然、霊感ってヤツはないんですけどね。
本当に、ビックリするくらい心霊体験と言うやつをした事がありません。

読むと呪われる話、見ると呪われる画像、忘れなければ災いをもたらす話、
ありとあらゆるものに関わってもちっとも悪影響を受けた事がありません。
いや、別に悪影響を受けたいなんてちっとも思っていないんですが。

それでもまあ、幽霊や怪異という名で呼ばれている、超常的なモノは確かに存在している、
そう考えてはおります。ん、だってさ、その方が怖くないじゃあないか。
世界各地で起こっている不可解な現象を起こしている原因が、そういうモノであって、
近づかなければ害はない、って結論を出されている方が、怖くないじゃあないか。


して、自分は確かに霊感というモノはありませんし、超常現象に遭遇した事もありませんが、
ただ時折、不思議なものを見ることはあります。

それが夢の中なので、幽霊だとかその類ではないと自分は判断しているんですが、
まあ実際はどうだか分かりません。実は幽霊かもしれませんし、単なる脳が作り出した幻影かもしれません。

で、その見るものってのは、女の子です。
おかっぱ頭の黒髪で、赤い着物を左前にして着こなしている小さな女の子。
よくって訳でもないんですが、覚えがあるだけで、4つの頃からずうっと見続けているんですよね。

その子の姿を見るシチュエーションも似通ったもので、和室だとか、洋室だとか、
とにかくどこかで眠っている俺の枕元に、その女の子は正座で座っておりまして、
薄い笑みを称えてこちらを見ているんですよね。
で、眠い目をこすりながら俺はかけ布団を開けて、その子を迎え入れる訳です。
でまあ、目が覚めるまで一つの布団で一緒に寝る……って、ただそれだけの夢です。


……。

……はい、今ドン引きしているヤツ、怒らないから一歩前に出なさい。

確かにね、20代前半のブサメン独身男性の私が、こんな夢を見ているなんて話しだしたら、
周囲をドン引きさせるに十分な破壊力があるとは思いますが、今に始まったことじゃなくて、
これ4つの頃からずうっと見ているんだよ! 4つの時はむしろ向こうの方がお姉ちゃんだったんだって!
女児と男児が一緒の布団で寝ていることに何のやましさがあるってんだ!
その習慣がちょっと20年位続いているだけの話だろう! 何もおかしくはないよ!


ああはい、まあ別に引かれたって構わないんですけど、時々こういう夢見るんすよ。
いや、こういう夢を見るだけなら、不思議な話しではなく、単に気持ち悪い話で済みそうなもんですが、
問題はこの女の子ってのを、自分の母親も見ているということでしてね。

初めてこの女の子を夢に見たとき、自分が母親にその内容を告げた所、知れた事実でした。

母親がその子を見たときっていうのが、3人目の子を降ろしてから程なくして――というタイミング。
その時もやはり、女の子は赤い死に装束を纏って、母親の夢に現れたそうです。
3人目の子、というのは、生まれていれば自分の姉だか兄にあたる存在だったそうで……。


恐らくこの女の子っていうのは、俺の姉なんじゃあないかと思います。
これは大分後で知ったことですが、母親が夢でその少女を見たとき、
何故か「ごめんね」と呟いてしまったと言っておりました。少女は、それを聞いて笑ったそうです。
目が覚めたとき、当時の、中絶した事への罪悪感で一杯だった胸中が晴れる気がした、
とも母は言っておりました。


でまあ、何の因果か、俺の元に現れるようになったみたいですね。
別に何か凶事を予言してくれるわけでもないんですが、時々俺の顔を見に来るようです。
ただ、いつ死に掛けてもおかしくない目に何度かあっている割に、
毎回何だかんだで助かっているのは、姉の尽力のおかげかもしれません。



何でこんな電波ゆんゆんエントリを書こうかと思ったかですが、
今の俺がロリババア好きになってしまったのは、この姉の英才教育のせいではないかと最近気づいた、
って書きたかったからです。うん、そんだけ。それ以外にはあんまり理由無い。

しょうがねえだろ! 俺の脳内初恋はこの子だったんだよ! 
って書くとああッ! やっぱり時々今でも夢を見る事が、凄いやましい要素プンプンに思えるッ!
いや本当、何もしてないんですよ刑事さんッ! 一緒に寝ているだけなんですってヴぁ!