格好よくなりたくない人なんて、いない。
誰だって、格好よくなりたいという願望は持っているものだと思うんですよ。
ただ、格好よさの定義が各人違う上に、数ある望みの中で、格好よくなりたいという願望が第一、
という人間の数は、決して少なくは無いだろうけれどそう多くも無いだろうから、時々、ある種の人は、
どうしても格好よく・見栄え良くなりたがらない人間がいるように錯覚する訳です。
って、そんなの誰でも分かっている事だな。
さて、卯さんは何故かイケメンと縁があります。
しまいにゃ、両親が揃って離婚したり再婚したりして、イケメンと同居する事になったりしそうです。
もし卯さんが恋するのが仕事の、魔法で作られたような女の子であるならば、非常に喜ばしい事態なのでしょう。
ええ、分かっていますとおり、卯さんは普通の男の子なんですよ。
女の子が好きなんですよ。より正確に言えば、女の子を、あの手この手を尽くして酷い目に合わすのg
イケメンに縁がある、……クラスメイトや同僚にイケメンが常に一人はいて、しかもそいつと凄く懇意だった、
とかそういうことなら別にわざわざこうして特記したりはしないんですがね、いえね、怖い事に、
卯さんは、何かちょっとおかしなイケメンを引き寄せる力があるらしく、……例えばですね、
女装が趣味(但し性同一障害という訳ではない)のイケメンとか、
趣味であるかのようにオーバードースを繰り返すイケメンとか、
ストリーキングしてお巡りさんに連れて行かれる事2回なイケメンとか、
そういうイケメン達に……まあ、何だか割と好かれる不思議なものを持っているらしいんですよね、卯さん。
その3人とはまた別のイケメンには、「今日君に夢で〇〇(とても性的なこと)をされた!」とかメールされまして、
ガチで血の気が引いて着信拒否うんぬんをこなした記憶がありますです。どっかで日記に書いたはず。
でまあ、実は最近通勤時にですね、俺の勘違いであってくれたらいいんですけれど、
特殊能力発動させたかもしれんのです。
自分、割と早朝から混む上に運転が荒っぽい地下鉄を利用して通勤しておりましてですな、
その満員を構成する一人となって、揺られていた時の事ですよ、電車が揺れたんですよ、大きく。
自分の立っていた位置は、いわゆる手すりのようなものがない、車内中央部だったものでね、
大きく揺れた方向に体勢を崩してしまったんです、もちろん、崩れた先にも人がいる。
「あ、やべえ、謝らなアカンわ」
反射的にそう考えた俺の身体は、――スッと抱きとめられたんです。イケメンに。
「大丈夫ですか?」
何事かと思っていた俺の目に飛び込んできたイケメンスマイル。イケメン特有のけれん味のないスマイル。
そりゃもう、俺みたいな奴にはまぶしすぎてまぶしすぎて。
「あ、も、申し訳ないです」なんて、狼狽している事が手に取るように分かる返事も出ようモノです。
その後、特に会話も無く下車駅で降りて仕事をこなし――いつものように日常を終えた訳です。
が、翌日から日常はいつも通りではなくなったようで。
何かそのイケメン、ぶっちゃけ同じ電車の同じ車両、同じ時間に乗っている事は前から知っていたんですが、
その一件以来、何故か挨拶してくるようになってきてですね。
……ああっ、ワシャ怖い! 怖いわ!
やめてイケメン、そのイケメンスマイル止めて! 貴方はどんな特殊性癖の持ち主なの!?
大体あなた、抱き留め方が凄く堂に入っていたじゃない!
突然の揺れでぐらついたアタイの頭を胸に預けさせて、両手を使って抱き寄せるなんて人間業じゃないわ!
でも、そんなイケメンが待っている同じ車両、同じ時間に乗ってしまう私って、弱い生き物なのね!
……まあ、ただのいい人なんだと思う。というか、ただのいい人であると思いたい。
お願い、ただのいい人であって。頼むから。
ああっ、なんで俺には、好奇心に負けて里から降りてきたはいいが、道に迷って帰れなくなった、
人間に対して興味津々の純粋なキツネ娘さんとかを引っ掛ける力とかが身に付かなかったんだろうか。
誰だって、格好よくなりたいという願望は持っているものだと思うんですよ。
ただ、格好よさの定義が各人違う上に、数ある望みの中で、格好よくなりたいという願望が第一、
という人間の数は、決して少なくは無いだろうけれどそう多くも無いだろうから、時々、ある種の人は、
どうしても格好よく・見栄え良くなりたがらない人間がいるように錯覚する訳です。
って、そんなの誰でも分かっている事だな。
さて、卯さんは何故かイケメンと縁があります。
しまいにゃ、両親が揃って離婚したり再婚したりして、イケメンと同居する事になったりしそうです。
もし卯さんが恋するのが仕事の、魔法で作られたような女の子であるならば、非常に喜ばしい事態なのでしょう。
ええ、分かっていますとおり、卯さんは普通の男の子なんですよ。
女の子が好きなんですよ。より正確に言えば、女の子を、あの手この手を尽くして酷い目に合わすのg
イケメンに縁がある、……クラスメイトや同僚にイケメンが常に一人はいて、しかもそいつと凄く懇意だった、
とかそういうことなら別にわざわざこうして特記したりはしないんですがね、いえね、怖い事に、
卯さんは、何かちょっとおかしなイケメンを引き寄せる力があるらしく、……例えばですね、
女装が趣味(但し性同一障害という訳ではない)のイケメンとか、
趣味であるかのようにオーバードースを繰り返すイケメンとか、
ストリーキングしてお巡りさんに連れて行かれる事2回なイケメンとか、
そういうイケメン達に……まあ、何だか割と好かれる不思議なものを持っているらしいんですよね、卯さん。
その3人とはまた別のイケメンには、「今日君に夢で〇〇(とても性的なこと)をされた!」とかメールされまして、
ガチで血の気が引いて着信拒否うんぬんをこなした記憶がありますです。どっかで日記に書いたはず。
でまあ、実は最近通勤時にですね、俺の勘違いであってくれたらいいんですけれど、
特殊能力発動させたかもしれんのです。
自分、割と早朝から混む上に運転が荒っぽい地下鉄を利用して通勤しておりましてですな、
その満員を構成する一人となって、揺られていた時の事ですよ、電車が揺れたんですよ、大きく。
自分の立っていた位置は、いわゆる手すりのようなものがない、車内中央部だったものでね、
大きく揺れた方向に体勢を崩してしまったんです、もちろん、崩れた先にも人がいる。
「あ、やべえ、謝らなアカンわ」
反射的にそう考えた俺の身体は、――スッと抱きとめられたんです。イケメンに。
「大丈夫ですか?」
何事かと思っていた俺の目に飛び込んできたイケメンスマイル。イケメン特有のけれん味のないスマイル。
そりゃもう、俺みたいな奴にはまぶしすぎてまぶしすぎて。
「あ、も、申し訳ないです」なんて、狼狽している事が手に取るように分かる返事も出ようモノです。
その後、特に会話も無く下車駅で降りて仕事をこなし――いつものように日常を終えた訳です。
が、翌日から日常はいつも通りではなくなったようで。
何かそのイケメン、ぶっちゃけ同じ電車の同じ車両、同じ時間に乗っている事は前から知っていたんですが、
その一件以来、何故か挨拶してくるようになってきてですね。
……ああっ、ワシャ怖い! 怖いわ!
やめてイケメン、そのイケメンスマイル止めて! 貴方はどんな特殊性癖の持ち主なの!?
大体あなた、抱き留め方が凄く堂に入っていたじゃない!
突然の揺れでぐらついたアタイの頭を胸に預けさせて、両手を使って抱き寄せるなんて人間業じゃないわ!
でも、そんなイケメンが待っている同じ車両、同じ時間に乗ってしまう私って、弱い生き物なのね!
……まあ、ただのいい人なんだと思う。というか、ただのいい人であると思いたい。
お願い、ただのいい人であって。頼むから。
ああっ、なんで俺には、好奇心に負けて里から降りてきたはいいが、道に迷って帰れなくなった、
人間に対して興味津々の純粋なキツネ娘さんとかを引っ掛ける力とかが身に付かなかったんだろうか。

