長嶋巨人は日本一は逃したものの、見事
最下位からのリーグ優勝を達成
飛雄馬はカムバック賞を受賞した
しかし長嶋監督は、日本シリーズで阪急に敗北
した事をモーレツに悔しがっていた
飛雄馬にノーコン克服できなければ使えないという
怒りのメッセージを叩きつけた
それに応えるため、ノーコン克服に猛特訓を重ねる
飛雄馬だった
「父一徹の贈りもの」
この日は飛雄馬の契約更改日
奇跡のカムバックを遂げた飛雄馬に記者たちが
群がる
「星君、勿論一発更改だよね?」
「どのくらいアップしたの??」
「ええ・・・まあ、そこそこ・・・・」
「でも金額はどっちでもいいんです・・・・
とりあえず来季も巨人軍でプレーできる事が
俺にとっては感謝しかありませんから」
「いや、金額を聞きたいんだよ
ちなみに王さんは6500万らしいよ」
「・・・・・・・・・」
6500万は今の価値だと3億~4億くらいか
まあ当時はそんなもんw
『今のままだと来季は必ず制球難を突かれる、、、、
なんとかしないと来年の今頃は戦力外通告
されるかもしれん。。。』
だがどうやら今の特訓も制球難克服には
あまり効果は出てないようだ
『まあ先の全く見えない草野球の代打屋やってた
去年に比べれば今は天国だが・・・・』
『ノーコン投手の汚名返上しない限り、来年の
今頃は地獄に逆戻りのケースだってあるんだ!
なんとかしないと・・・・』
一度はマンション住まいだった飛雄馬も今はまた
寮での生活
オフに帰る実家も取り壊されていた
「あんたカムバックしてから一度も連絡もないし
うちにも遊びに来ないから来たのよ」
「・・・・ゴメン」
「私が巨人軍に復帰するの猛反対してた事
まだ根に持ってるの?」
「いや・・・・根には持ってないよ」
「ま・・・まああの時のねーちゃんの鬼のような顔
思い出して行きそびれた事はあったけどさ
オフには顔出そうかと思ってたんだ・・・・」
「まあ、そんなに怖い顔してた?
でももうオフシーズンのはずだけど?」
「実はね、明日うちであなたの復活祝いの
パーティーやろうと思ってるのよ
お父さんも来るわ」
「えっ!?
と・・・・父ちゃんがっ」
「それでね、お父さんの事で飛雄馬にも相談
したい事があって・・・・」
「ま・・・まさか俺に父ちゃんと一緒に暮らせ・・・
とか言わないよな、、、、」
「お父さんの面倒は私たちで見るつもりよ
ただお父さん、最近会うたびに老けて行くのが
心配なの・・・・
ちょうどアンタが右投手として復活した頃からだわ」
「ふふっ、息子の活躍に嫉妬する親父だからな・・・
きっと面白くないんだろ」
「な・・・何を言うのよ
口には出さないけどきっと、アンタを応援してて
アンタの事心配してるんだわ」
「女のねーちゃんにはわかんないよ・・・・
息子の俺ですらあの親父は理解できねーし。。。」
「・・・・とにかくお父さんの事は私たちに任せて!
でもお父さんあの性格だから、言う事聞いてくれないの」
「だからあんたからお父さんを説得して欲しいの」
「え・・・・俺がかよ、、、、
ま・・・まあねーちゃんの頼みだからやってはみるけど・・・」
「しかしあの親父、いくつになっても偏屈者だな。。。
長屋時代も何度もねーちゃん困らせてさ」
「ねーちゃんはいつも謝り役だ・・・・・
あんな生活我慢してたねーちゃんを尊敬するわ」
「とにかくお父さんの説得、お願いね!」
「わかった・・・やるだけやってみるよ」
「母さん、わしの時代は終わったよ・・・・
わしが飛雄馬にしてやれる事ものうなったわい」
翌日、花形家に飛雄馬が来ていた
「なあ、本当にあの人来るのかな?」
「ちょっと、あの人だのあいつだの
お父さんの前で言っちゃダメよ」
「わかってるさ」
『俺が代打屋やってた頃、突然現れて
小石でサングラス割った時・・・・あれがあの人と会った
最後だった』
「去年最後に会った時も結構老けてたけど
今はあの時より老けてたって言うのかい?」
「そうね・・・まあ50代半ばには見えないわ、、、」
「おいゴルァ
ちょっと前なら許しちゃやるが、今のはちと
許せねーな、爺さんよ」
「アンタっ、その謝り方なんなのさ」
「よせよ、こんなジジイ相手にすんな
カッコ悪いぜ」
『かつての野球の鬼も、今は許してもらえる
ジジイか、、、、』
中ではむさくるしい男たちが
筋力トレーニングに励んでいた 💪
ギューーーーーーン
ギューーーーーーン
「お・・・おいマジかよ・・・何者だ爺さん」
「ううっ、お父さんのバカッ
あんなに来るって約束したのにっ」
「明子・・・」
「実のところ来なくてホッとしてるってのが本音さ
ホントわけわかんない人だよ。。。」