右投手として復帰した飛雄馬は阪神戦で初登板
ノーワインドアップ投法とワインドアップ投法を
組み合わせて、宿敵カケフタブチを抑え
2戦で2勝をあげる活躍を見せた
長嶋監督は、ヤクルト戦でそんな飛雄馬を
先発させた
ところが、ノーワインドアップ投法&ワインドアップ投法は
ヤクルト広岡監督の待球戦法の前に、四球連発し
飛雄馬は自滅してしまった
ヤクルト戦初先発は、四球で自滅した飛雄馬だったが
長嶋監督は結局飛雄馬をリリーフ専門で起用
一方最下位が決定している大洋の左門が
謎のスランプに陥っていた
っていうか、1976年にクラウンってあったのか?
左門のスランプを怪しんだのが伴
「あの安打製造機の左門がスランプじゃと?
消化試合の今は打率の稼ぎ時なのに・・・・」
「あなた、ご苦労さま
練習でも試合でも鉛入りのバットは大変でしょ?」
「次の巨人戦が最終戦
星さんと対決する今シーズン最後のチャンスですものね」
「あなたの目には星さんしか写ってない・・・・
私にはわかるの」
「ほう・・・意外に勘が鋭かねえ」
「だって夜の営みの時、星君っっって絶叫しながら
バットが火を噴くんですもの」
「お・・・・おいっ、そういう話はするんじゃなか、、、、」
「家族の生活守るために必死に働いて、更に勝負に
命をかける・・・・応援はしてるけどムチャはしないでね」
「京子・・・・」
翌日巨人軍は試合もなく休養日だったが
飛雄馬は出かけるブルペン捕手の福島に声をかける
「あの・・・・福島さん、勝手なお願いですが
俺のピッチング練習に付き合ってもらえませんか?」
「えー、これから風俗行ったり飲みに行こうとしてたのに
そりゃないぜ、、、、、、」
「すみません・・・・わがまま言って」
「いや、今のは冗談だがお前の事が心配だよ
連日連投のうえ、もうすぐ阪神5連戦だぜ
休養しないとぶっ壊れるぞ」
「阪神戦の前に大洋戦があります
俺の登板あるかもしれない
そのためにノーコンを少しでも克服しないと・・・」
「気持ちはわかるけど、今日は休めよ
なんなら一緒にト〇コ行くか?
奢ってやるぜ」
「いえ、それはまた次の機会に・・・・・
とにかく特訓に付き合ってください
ト〇コは俺が奢りますから」
「チッ、仕方ねーな、わかったよ!
そのかわりト〇コ奢るのわすれんなよ」
その頃、多摩川の大洋の練習場
大洋も多摩川に練習グラウンドあったんだ
なんと左門は、阪神ビル・サンダーがカケフ・タブチに
行ったのと同じバッティングマシン3連の
特訓を行っていた
マシンの球とはいえ、硬球を何度もボディーに
食らい、かなり傷だらけである
「これくらいの痛みどーって事なかですっ
星君の球ば、もっと痛かとですっ」
「荒れ球の2球を避けつつ、打てる球のみを
見抜いて、打たねばっっっ」
『俺との今季最後の勝負を待ってるのか?
でも今日俺に出番があるかどうか・・・・』
「うーん、星っ
ブルペンに入っておけ!
出番があるかもしれんぞ、ハイ」
『いや、星の登板はないじゃろ
今日の小林はなかなか良いし・・・・』
左門は当たっているが5番以降はまるでやる気なし
5、6、7と簡単に凡退する大洋
「これで今日は飛雄馬の出番はないわね」
「いや、それはわからんぞ」
「わからんって、小林さんの完封かかってるし
5点も差があるのよ」
「長嶋さんはファンサービスしないと死ぬ人だよ
たとえボロ勝ちしてても、最後に飛雄馬君と左門君の
対決を見せるはずさ」
「まあ・・・・そんな人なの」
「だからミスターと呼ばれてるんだ!
ファンのために野球してるんだよ、あの人は」
『うむむ・・・こりゃ小林は代えんとばい、、、、
わしと星君の対決ば、来年までお預けばってん。。。。』
『ジャイアンツ、ピッチャー小林に代わりまして星
背番号3!!』
『おおっと、完封寸前の小林を代えます長嶋監督!
リリーフはノーコン星ですっ』
「こりゃ願ってもないチャンスとですっ
長嶋監督にお歳暮贈らにゃならんとですっ」
「おい星っ、相手は左門だ!
お客さんもですね、帰るの止めて見てますよええ」
「なんとしてでもですね、左門を三振に打ち取って
阪神戦にはずみをつけましょう」
「はいっ」
「点差はあるんです、全部ストレートの真っすぐで
勝負するんですよ、ハイ」
『行くぜ左門っ、阪神戦の前に君にだけは
勝っておきたかったんだっ』