巨人の星(栄光の星編)第181話 「決死の完全試合」後編 | 野球侍SAKIのブログ

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ももクロの夢はモノノフの夢

無敵の大リーグボール3号は、飛雄馬を破滅に導く
まさに魔球だった

 

野球生命を賭けて挑んだ中日との最終戦
飛雄馬は最初から完全試合を狙って登板

 

大リーグボール3号の前に、父一徹の繰り出す
あらゆる秘策も通用しない

 

そんな中、出番のない伴が怒りにまかせてへし折った
バットの破片が一徹の手を貫いた時、ついに
大リーグボール3号打倒の最後の秘策が浮かんだ

 

一方飛雄馬を応援に来ていた姉明子に
花形はついに飛雄馬の破滅を告げてしまう

 


「星君からは他言無用と口止めされてたんです
僕も最初は誰にも話す気はありませんでした」

 


「しかし・・・人間秘密を隠そうとすればするほど
態度に現れてしまう、、、、汗
しかも明子さんのような人にはすぐに見抜かれる」

 


「飛雄馬の破滅ってどういう事なんですか?」

 


「星君の大リーグボール3号・・・・あれは・・・
あれは1球投げるたびに星君の投手生命を削ってるんです
いわば血のボールです!!

 


「ち・・・・血のボール・・・・びっくり

 


「星君は栄光と引き換えに自分の投手生命を投げてるんです
やがて星君の投手生命は終わってしまう、、、ガーン
「そっ・・・・そんなっあせる

 


クワァッッッッッッ

 


『バビー三振っ!
中日打線、もはや大リーグボール3号に手も足も出ず
いよいよ完全試合達成も秒読みになってまいりましたびっくり

 


この試合の様子を自宅で妹弟たちと観戦する左門

 


そこに1通の速達がやってくる

 


「ん?
星君からだ」

 


『親愛なる左門君、俺は今移動中にこの手紙を書いている
乱分乱筆をお許しいただきたい』

 


『突然だが俺は数日前、医師から死刑宣告を受けた』

 


『このまま大リーグボール3号を投げ続けたら
やがて俺の投手生命は終わるという
もう二度と野球をやれない体になるらしい』

 


「なっ・・・・・なんですとっガーン

 


『突然こんな事を告げ驚かせて申し訳ない、
しかしこれが事実なのだ
大リーグボール3号は無敵の魔球であると同時に
俺の投手生命をも奪う魔性の魔球であった』

 


『さて、この大リーグボール3号
貴兄も覚えていると思うが、ヒントはオールスターの
移動中の新幹線の中で、京子さんが貴兄に投げた
リンゴからだったりんご

 


『それを目撃した俺は、そこで大リーグボール3号の
下手投げ転向を開眼させた』

 


『大リークボール3号の原理は後述するとして
これは、俺のせいで小指の自由を失った京子さんが
与えてくれたひとつの奇跡だった』

 


『しかしそれは、実は投げるたびに投手の血を
吸い上げる吸血ボール』

 


『投げてはいけない禁断のボールだったのだ』

 


『投げるごとに筋肉に不自然な負荷を与え続けるため
ついには腕の筋肉が酷使でボロボロになってしまう』

 


「な・・・投げるたびに筋肉が・・・・・
飛雄馬の腕の筋肉がボロボロにっ、、、、、叫び

 


「そっ・・・・そんなぁぁぁぁぁぁぁ泣あせる

 


『勿論医学知識の乏しい俺でもそんな事は予感できた
投げるたびに激しい激痛があったからだ』

 


『ただ俺の座右の銘は坂本竜馬が残した言葉
死ぬときは例えドブの中でも

前のめりに死ぬ・・・だ』

 


『たとえどんな過酷な運命が待ち受けていようと
後退せず、死ぬときは前のめりに死のうと・・・』

 


『体格に恵まれず、大投手の道から見放された俺に
唯一大投手への道を与えてくれたのも
大リーグボール3号だ
俺は投手生命を失う覚悟で投げ続けるしかなかった
全ては覚悟の上の事だった』

 


『さて、大リーグボール3号の秘密だが・・・』

 


『京子さんの投げたリンゴは、まだ小指が動く頃の
感覚で投げたため、本来の推進力がない状態で飛び
途中で失速』

 


『するとリンゴは一瞬推進力のない状態で浮かぶ感じになる』

 


『それ故に掴もうとする手の直前で落下
そのために貴兄はこのリンゴを取り損ねたのだ』

 


『俺はその原理を応用して、ボールをリリースする瞬間
親指と人差し指だけでボールを押し出す事を思いついた』

 


『投げるのではなく押し出したため、ボールは
今までにない飛び方で打者に向かった』

 


『更に下手投げで投じられると、最初は浮かぶ軌道で
微妙にホップ、その後は推進力を失い予想外の
動きを見せた』

 

『元々力のないボールのため、プロの激しいスイングが
巻き起こす風の影響を受け、更にボールは変化
これがバットを避けるような動きになり
これをジャストミートする事は不可能』

まあ現実にはあり得ないんだけどね(苦笑)

 


『ただ唯一の欠点は、元々スイングの遅い
投手のバッティングだと、風圧の影響を受けないため
容易に弾き返される事だった』

 

『ただしスイングの遅いバットに加え、推進力による
ボールの反発もないため、長打にはなりにくかった』

 


『しかし親指と人差し指のみでキャッチャーまで
届かせるには相当強靭な筋肉がなければならない
それが筋肉への巨大な負荷となり、俺の腕の筋肉に
ダメージを与え続けた』

 

『最初は一瞬の痛みだったものが、だんだん長くなり
ついには常に痛みが左腕に走るようになった』

 

『おそらくもう二度と貴兄と戦う事はあるまい
そして貴兄の前に姿を見せる事もないと思う』

 


『消えゆく男として最後にひとつ貴兄に頼みたい
俺のためにただひたすら働いてくれた親友伴と
我が姉の仲を、貴兄に取り持っていただきたい』

これ原作では、京子と一緒になってくれと頼んでいた
のだが・・・

 


『貴兄の活躍を期待している
消えゆく男として、ただひたすら祈る
左門豊作殿
星飛雄馬』

 


「ほ・・・・星君・・・なんば事をっっっっ滝汗

 


「いかん、いかんたいっっっっ!
もう投げてはいかんたいっっっっ!!

 


「わしは星君ば失いたくなかっえーん

 


慌てて家を飛び出し球場へ向かう左門

 


『星君っ、もう勝負はよかっ!
君に野球生命を失わせるわけにはいかんたいっあせる

 


その頃後楽園はついに9回表、中日最後の
攻撃を迎えていた

 


先頭バッターは谷沢

 


「ああっ、私もう見てられないわぁぁぁぁぁ泣くうさぎ
飛雄馬ぁぁぁぁぁぁぁぁぁガーン

 


「明子さんっ、見るんだ!
星君の左腕の秘密を知った以上、あなたにはどんな
過酷な結末が待っていようと見届ける義務があるっ節分

 


「運転手さんっ、急いでくれっ!!
1分ごとに100円のチップばはずむけんっっっ¥

 


『追い込まれた谷沢、3球目・・・・
空振り三振っっっっビックリマーク

 


『くそっ、間におうてくれぇぇぇぇぇぇぇっ笑い泣き

 


次のバッターもツーナッシングから打ちあげる

 


パシッハッ
平凡なピッチャーフライ

 


「ツーアウト、ツーアウトでありますっアセアセ
あとひとり、あとひとりでパーフェクト達成ですっっっ上差し

 


『あとひとりだ、、、もってくれ俺の左腕っっっ炎

 


「監督、いよいよこの時がやってきましたな」

 


「おそらくこれで星投手のパーフェクトの夢は
無残な結末を迎えるでしょう
ご安心くださいニヤリ

 


打席に向かう前からすでにヘロヘロの伴

 


「あっ、水原監督出てきました
おそらく代打を告げると思われます」

 


「だ・・・代打か!
まず出てくるのは間違いなく伴だ」
「ば・・・伴さんタラー

 


「この打席で星君の運命は栄光か
ただ破滅だけしか残らない無残な最期かが決まるっ!

 


一方左門の乗ったタクシーは、渋滞に巻き込まれていた

 


『中日水原監督、代打は伴です』
「や・・・やはり伴君ば出してきよっとびっくり

 


「素振りしてた時から、妙にヘロヘロで奇妙に
思っとったばってん、あれは伴君の無駄な力を取り除くための
星コーチの作戦だったばいっっっショック

 


「運転手さん、なんばしよっとムカムカ
チップ1000円出すけん、この渋滞ば突破してくれ!
「そんなの無理ですよお客さんえー

 


素振りというよりバットに振り回されるようにして
伴打席に向かう

 


『伴・・・・あいつどうしたんだ?
打席に入る前からフラフラじゃないか・・・汗

 


「なんだか伴選手、様子が変ですね・・・・」
「ええ、伴は体調悪いかさもなければ酒でも飲んで
酔っぱらってるんじゃないですか?
こんな状態で代打に出すなんて、水原監督の考えが
わかりませんな」

 


なんとか気力で打席に立つものの

 


すぐにヘタってしまった

 


「コラぁ水原ぁ、なんでそんなやつ代打に出すんだムキーッ
「やらせで完全試合かぁ?
それ八百長じゃねーのかムカムカムカムカ

観客からヤジというより罵声が飛ぶ

 


へたりこんだ伴を一徹コーチが抱き起す

 


「伴っ、しっかり打席に立てっ節分
逆立ちと素振りでお前をこんな状態にした意味は
すぐにわかるはずじゃ!
初球から思い切って振って行けっメラメラ

 


『一徹め・・・・何を考えておる?』

 


『俺の最後の敵はやはり親友伴か・・・・・
だがもはや今の俺に何かを考える余裕などないっ』

 


『どんな秘策があるのかは知らないが、俺の
野球生命を賭けた投球で迎え撃つメラメラメラメラ

 


『星よぉ、お前には悪いがパーフェクトはわしが
このバットでただの夢に変えてやるわぁムキー
そ・・・それがわしがお前にしてやれる
友情の証と思えっっっっ炎

 


『し・・・しかしなんで星は3人もおるんじゃあ、、、驚き

 


巨人の星(栄光の星編)最終話 「輝け!巨人の星」
につづく