巨人の星(栄光の星編)第177話 「正捕手への道吉原物語」前編 | 野球侍SAKIのブログ

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ももクロの夢はモノノフの夢

「わしはどうしても星君の大リーグボール3号を
打ちたかっ」そう熱望する左門

 

緩いスイングでしか当たらない大リーグボール3号を
打つには、かつて花形が1号を打ち砕いた
鉄球と鉄バットの特訓しかない

 

自分の築いた城と妹弟たちの生活を破壊覚悟で
その特訓に挑んだ左門だったが

 

今度は別当監督に特訓を禁止されてしまう

 

しかしその中から左門はスピン打法を編み出し飛雄馬に挑戦
だが健闘も虚しく、大リーグボール3号の前に敗れ去った

 


今回は巨人の星栄光の星編第177話
「正捕手への道吉原物語」の解説です
残り6話にして、最後の名選手列伝となりますw

 


戦没者名簿をめくるのは若き日の一徹

 


「あっガーン

 


そこには吉原正喜(まさよし)の名前が
それは巨人軍創成期の正捕手だ

 


ちなみにガルべスの肘うちのとばっちりを受けて
流血したこの人とは別人ニヤニヤ汗

 


吉原戦死に驚く一徹
「よっ・・・吉原さんがっっっっっガーン

 


勿論これは巨人の星あるあるの夢オチ

 


今や旅館住まいの一徹コーチ
『吉原正喜か・・・・懐かしい名前だぼけー

 


「こんな夢を見るようになるとは
わしもいよいよ本格的に老いぼれたかな・・・汗

 


「そうか、夕べ寝る前に柄にもなく昔のアルバムなぞ
見ておったからか・・・・」
アルバムにタイトル付けるのは当時流行っていたらしいw

 


この日は中日球場でヤクルトアトムズとのデーゲーム

 


なんとスタメンマスクは伴だ
6番キャッチャーでの出場

 


「うへへへへ、言われていた事とはいえ
スタメン発表にわしの名前が・・・・ニヒヒ気づき
伴、これは勿論プロ入り初のスタメンだ

 


「コラ伴っ、何をにやけておるっむかっ
さっさと守備につかんかバカモノっっっっ節分

 


「このスタメンは、わしが水原監督に直訴して決まったのだ
無様な結果でわしの顔をつぶすなよ」

 


「わ・・・わかっとりますわいっ!
スタメンマスクである以上、全力を尽くすのみっ炎

 


「おやっ、中日のスタメン捕手は木俣ではなく伴ですねえ」
「まあ代打で結果を出しとりますからな
そろそろスタメンで起用してもおかしくはないですよ」

 


「いやぁ、それにしても必要以上のハリキリぶりの伴
かつての巨人の正捕手、吉原を思い出しますなあにやり

 


投げるのは星野仙一

 


「いいぞー星ぃぃぃぃ・・・・野汗
まあ星野さんの方が年上なんだけどね

 


『見ちょれよー星ぃ
お前が大リーグボール3号で大ブレイクするなら
わしは和製ベーブルースとして、バットでも守備でも
天下を取っちゃるっっっっメラメラ

 


ヤクルト1番は武上さんだ

 


いきなり内野安打で出塁

 


盗塁を警戒して、伴が物凄い形相で牽制する

 


慌てて一塁ベースに戻る武上さん

 


「ふほほほ、なかなかやるじゃないか伴
本当に昔の吉原を見るようだわいほっこり

 


「水原さん、実は昨日その吉原の夢を見ましたよ」
「ん?君、吉原と一緒にプレーした事あったっけ??」

 


「いえ、吉原と一緒だったのは、ビルマの戦線で
同じ連隊にいたときでした・・・・
吉原はインパール作戦で戦死しましたが、、、」

 


「そうか・・・吉原が巨人に入って来たのは
昭和13年の春だったな・・・」

 


「みんな、今日からうちのチームに入る新人を
紹介する!」

 


「去年熊本工業で惜しくも準優勝に終わったバッテリーの
川上と吉原や」

 


「特に吉原は、捕手が手薄なうちのチームの正捕手好捕や
みんなよろしゅう鍛えてやってくれやウインク

 


「ところで吉原、お前の自慢できる長所ってなんや?
肩か、バッティングか??」

 


「長所っスか・・・・そうですねえ
まあしいて言えば足ですかね」

 


「足やてぇ!?
そんなに自信あんのか」
「はいっ!」

 


「そらおもろそうやな、ほなら
わが軍の俊足三羽ガラス、呉、平山、白石と
100m競争してもらおうかニヤリ

 


「それでひとりでもお前が抜けたらたいしたもんや」
「・・・・・・・・」

 


「よっしゃ、呉と平山と、白石!
この俊足捕手の相手したれやウシシ
「はいっ!

 


「待ってください監督、我々は陸上の選手じゃなく
野球選手ですよ
100mで競争しても意味がありません
やるんならダイヤモンド1周競争でお願いしますよ」

 


「ふっ、小生意気な若僧やが理屈はおうとる
おもろいやっちゃな」

 


というわけで4人でダイヤモンド一周競争
一枠吉原正喜、二枠和製ギャグニイ白石敏男
三枠人間機関車呉昌征、四枠塀際の魔術師平山菊二

 


まあぶっちゃけダイヤモンド一周だと
内側の一枠吉原が絶対有利なのだが・・・・

 


吉原、よーいドンの段階から出遅れる

 


1位呉、2位白石、3位は平山

 


吉原はダントツのビリ、、、

 


「く・・・・くっそーぉ、ビリかよ、、、、笑い泣き

 


「吉原くーん、凄い俊足じゃん!
少なくとも亀よりは全然早いよ~笑い泣き
笑いものにされてしまう。。。。

 


「監督っ、もう一度やらせいくださいっ!」

 


「うん?
ええけど、何べんやっても勝てるとは思えんが・・・」

 


吉原の執念により再スタート

 


今度は意外にまともな競争に

 


吉原、平山を根性で抜き去り3位に

 


「おいおい、マジかよ滝汗

 


「へぇー、スタミナと根性はたいしたもんだな」

 


「うへー、キッツぅ、、、、、ゲロー

 


ところが吉原、まだ諦めない
「監督っ、3位じゃ納得いきませんっビックリマーク
もう一度・・・・もう一度やらせてくださいっメラメラ

 


「こ・・・・こいつ、ただの生意気な若僧と
ちがうぞ・・・・汗

 


「せ・・・先輩っ、お願いします」

 


「くっ、しょうがない・・・・新人にああ言われて
断っちゃあ我々の面目が立たないぜ、、、」

 


というわけで、またまた再スタート

 


今度はなんと1回目2回目で1位の呉昌征とほぼ同着

 


「お・・・おいっ、どっちが勝ったんだ?」
「い・・・いや、それが・・・全然わからんっっっあせる

 


「今のはわずかに呉が早かった
1位呉、2位は吉原だっ!

 


「なんだあいつ・・・・ちょっとスゴくね?」

 


『うむむむ、こいつは大物になるぞ・・・・』
ちなみに吉原、キャッチャーでは30盗塁以上を2回記録
これはいまだにプロ野球界では2人しかいない
もう一人は元大洋の荒川昇治という選手だ

 


「あれは伝説になったよ」
「ええ、私も聞いた事があります」
真実かどうかは不明

 


「とにかくあの根性は並みじゃなかったよ
伴がどこまで吉原に迫れるか・・・・」

 


カコーーーーーーンドンッ

 


ファールになりそうな打球を必死で追う伴

 


「あれは無理だ・・・ファールになるっぼけー

 


しかし伴、思いっきりフェンスに激突
この時の球場のフェンスにラバーなど貼っておらず
だいたいはコンクリートの壁だった

 


バサッダッシュ
倒れ込む伴

 


「お・・・・おい伴・・・・生きてるか?」

 


伴なんとこの打球をキャッチ合格

 


「と・・・・捕ったぞいっっっっっ炎

 


ガクンチーン
伴そのまま気絶

 


「これは・・・吉原の再来だっっっっ!
ってかなんで中日の監督とコーチが
自チームの選手と、元巨人の選手をダブらせるんだ?

 


「わしが知るかっ、

そんなもんっムカムカ
後編に続く