伴はついに中日に入団した
だが入団会見で大リーグボール2号の秘密に関しては
一切聞かないという契約条件を付けていたと言い放つ
更にこのトレードを決めた一徹コーチにも露骨に
反発する姿勢を見せた
だが当の一徹コーチはそんなのはどこ吹く風と高笑い
早速伴に練習参加を命令した
「バカヤロー、何がナイスプレーだ
こんなの褒めちゃいかんっ」
「このタワケ、練習中は声を出せとあれだけ言ったのに
ずっと貝みたいに黙りこんでやがるっ
俺を舐めてんのかグォラ」
「きっ・・・きさまぁ、やるべき事はやってるから
文句言うなだとっ
ふざけんなっっっ」
「何だ?
何か揉めてるようだが・・・・・・」
「・・・・・・・」
「おいおい、いくらなんでもあの態度はねえよな」
「こんなの本当に戦力になんのかよ・・・・」
「我が中日ドラゴンズをバカにしてんのさ」
「ガチムカつくよな」
「善玉巨人、悪玉中日ってか?
チームに溶け込む気なんか微塵も感じねえし」
「木俣っ、お前がキャッチャーやれ!
こんな黙んまり野郎の相手するのも疲れるわ」
「ほ・・・・星君、これじゃあチームの雰囲気が
悪くなるぞ・・・なんとかしてくれ」
「うむ・・・・そう言われましてもなあ」
「あのふてくされようはそう簡単には治らんでしょう・・・」
「ほ・・・星君っ・・・・そんな無責任な。。。。」
「とにかくやつの心を入れ替えるには何かのきっかけが
必要ですわい
それまで待つしかありません」
「ほ・・・・星君、、、、、」
「水原監督、こうなることは想定内のはず
我々が根を上げてどうするんです」
「クソォ、今日の練習はひでえもんだったぜ。。。」
「コーチのやつブチギレて散々シゴきやがんの・・・」
「外人のオズマは日本語わかんねえからまだ良かったけどよ
同じ日本人のあのヤローがオ〇みたいにだんまり
決め込むとマジムカツクよな」
「オズマといい伴といい、どうして星コーチの
連れてくるやつは変な奴ばっかりなんだ・・・・」
「こうなったらよ、ヤキ入れてドラゴンズ魂
叩き込んでやろうぜ」
「お前もいきなりトレードで連れてこられて大変
だろうけど、すぐに慣れるさ!
まあ頑張んなよ」
「・・・・・・」
「おい伴、せめて礼くらい言えばどうなんだっ!」
「・・・・・・・」
「い・・・いいんだよ、、、俺気にしてないから」
「そうはいかねえな」
「お前がどんな契約してんのか知らねえけどよ
お前はもう中日の一員なんだぜ
そうである以上ここのやり方を教えてやる」
伴、胸倉をつかまれたままいきなり立ち上がり
91番の選手はその反動でひっくり返る
「こ・・・このヤロー・・・・・もう許さねえからな」
「・・・・・・」
「おっ、入団早々いきなりケンカかよ」
「やれやれっ、そんなやつノシちまえ」
「や・・・やべえ・・・・こりゃ俺じゃ
止められそうにないぞ、、、、」
「ど・・・・どうする星君」
「ふっふっふっふ、これはひょっとしたら
待っていたきっかけかもしれませんぞ」
「え・・・ええまあ・・・・・
しかし最初に伴のやつが・・・・・」
「お前ら伴は柔道の有段者だぞ・・・・・
命があるだけありがたいと思え」
「わしへの恨みをこんな形で返そうとするとは
意外に陰湿なんじゃのう
そうやって中日を内部崩壊させようというのか」
「大リーグボール2号はまだ打たれたわけではないです
したがって、打たれるまでは秘密は生きちょります
しかしここでここの選手と話すと、親しくなって
口が滑るかもしれん・・・・」
「大リーグボール2号の事を聞かれるたびに急に
貝になるのもけち臭いですからのう」
「そんな事をするくらいなら全くだんまりを通した方が
まだ男としての仁義を通すと思い、無言の業を
決め込んだんですわ」
「なんじゃ・・・・・そんな事か・・・・
お前呆れるほどバカで単純なんじゃのう」
「バ・・・バカで単純とはなんですかっ
わしは真剣に悩んで・・・・」
「ふっ、つまりお前
大リーグボール2号の秘密が完全に暴かれたら
納得するんじゃな?
なら簡単な事だ」
「星君、君は大リーグボール2号の秘密を
知っているような言い方だな」