オズマの元所属チーム、セントルイスカージナルスは
日本で活躍したオズマの返却を求めてきた
これに驚いた一徹コーチは絶望し、中日退団をほのめかす
だが他球団にオズマに匹敵するくらいの実力の持ち主がおり
その選手獲得を条件に残留するとも告げた
その選手の名は伴宙太
驚く中日首脳陣だが、一徹コーチには判を獲得できる
算段があるという
「ふははははは、ええ感じじゃあ
この球を受ける感触こそが、わしの青春じゃあ
喜びじゃあーーーーーーーーっ
悔いはないわい」
『伴っ、そう言ってくれるのはありがたいが・・・・
俺の引き立て役で終わる青春で君は満足なのか?」
『本当にそれでいいのか?
なんだか俺にはわからなくなってきたぞ・・・・・』
『もしかして俺って、伴に甘えて伴の青春の上に
あぐらをかいて、伴の青春を食いつぶしてるんじゃないか、、、』
『ああ、余計な事考えてたよ・・・・
お前の貢献に応える方法は、伴の給料上げる事じゃない!
伴自身が大きくなるための手助けじゃないのか!?』
「とにかく、今後当面の目的は春季キャンプまでに
判宙太に中日ドラゴンズのユニフォームを着せる事っ!
それに全力を尽くす事ですわい」
「ぼすっ、チョットイイデスカ?
ぼすハみーの事忘レテハイマセンカ??」
「あん?
お前確かオズマとかいうやつだったかな?
こんな所で何をしておる」
「カージナルスに戻ると決定した以上、とっとと
帰国の準備でもしておけい!」
「のーーーーーーっ!
サッキマデ打倒大りーぐぼーる2号ノタメニ檄ヲ飛バシテ
イタノニ、ひゅーま・ほしノぱーとなーヲ強奪スル話ニナッタ途端
みーノ事ハ置キ去リデースカ?
いっつあんびりーばぼー、のーうぇいーデース」
「みーハ、ぼすノドンナ屈辱的ナ命令ニモ従イ、今マデ
耐エテキタノーダ
奴隷ノヨウニびしばしみーヲシバキアゲマシタネ」
カラコソ
ソレデモ我慢シタノダ」
「ソノ見返リガコレデースカ!?
アナタソンナ人ダッタノーカ
何トカイエ、コノ
アホンダーーーーーラ」
「カージナルスに戻ると確定し、もうどうにもならなくなった今
お前の事などもはやどうでもいいのじゃ!
使えなくなったお前より、使える判!!
それがわかったなら、今すぐとっととアメリカへ帰れっ」
「わしの事が憎いならいくらでも憎んでもらって結構だ!
いや、どんどん憎め、怒れっ」
「その怒りをメジャーリーグで爆発させよ!
向こうでの一打席一打席を、わしの特訓と思ってぶち当たれ」
「わしからの言葉は以上だ!
またわしと組む機会があればその時は力になってやる
メジャーでの健闘を祈る」
ーーーーーっ」
「監督、伴宙太獲得の件
すべてわしに任せてくださるでしょうな」
「わかった!
もし判を獲得できた時も、指導はすべて君に任せる
余計な口出しも一切しない」
「ふーっ、なんてやつだ・・・・・
1年とはいえ、あれだけ手塩にかけたオズマを
あんなに冷たく突き放すとは・・・・」
「それにも増して、このトレード・・・・・・
まさに鬼畜の思想以外の何物でもない
できればあんなのと付き合いたくはないね」
「しかしそれが星一徹という男なのです
まさに真の勝負師、だからこそこの水原
あの男にすべてを任せられるのですよ」
「飛雄馬よ、今のうちにせいぜい判と仲良く練習しておけ
近いうちにお前ら二人は敵同士になるんじゃからな」
クソくらえだわ!
貴様の大リーグボール2号を打ち砕くためなら
わしはなんでもやるぞ」
飛雄馬よっ」
巨人の星(栄光の星編)第135話 「去りゆくオズマ」
につづく