卒業するということ | UWC ISAK 生活日記

UWC ISAK 生活日記

UWC ISAK Japanの生徒による非公式ブログです。
「一度しかない人生。自分の個性を生かして思い切り生き、自らの立つ場所から世界を変える。(UWC ISAK Japan Webより)」

先週の日曜日、2024年5月19日 (日)

 

僕はGymに設置された壇上に並べられた椅子の一つに座っていた。卒業生が着る青いガウンと帽子を身につけて。

 

壇上からは、

左は先生方、親御さん、卒業生、可愛い後輩たち、

右は親御さん、ファウンダー / キャタリストサポーターの方々、後輩たちが見える。

 

関係者のスピーチ、卒業証書の授与、卒業生代表のスピーチ、一つ一つの儀式に丁寧に耳を傾けたが、「卒業」の実感はわかなかった。ただただ、去年と一昨年の卒業式で、後輩として声を張り上げる自分の姿が頭の中で何度も再生された。

 

会場からの退場しているとき、みんなでNight Changesをうたっているときもずっと考えていた。「卒業とはなんなのだろうか?」と。

 

また明日ISAKで起きて、授業に行って、お昼ご飯を食べて、みんなと喋って、点呼をして、そんな日々が変わらず続くのかと思っていた。しかし、「卒業」はジワジワと押し寄せてきた。自分の部屋を片付けていた時、車に全ての荷物を載せた時、東京に向かう新幹線に乗り込んだ時、「ISAK生」でいられるのはもう終わったんだなぁと、形もない不安が心に染み、広がっていった。

 

せっかくだからISAKで幸せを感じた瞬間について綴ろうと思う。

 

一つ目は、G10の時の日本語の授業。G10の頃の日本語の授業は、一つの本の章ごとに担当が決まっていて、担当が授業を作ってきて、円を作って、みんなでひたすら複数のお題についてディスカッションをするという時間だった。僕はディスカッションの時間が大好きだった。高校一年生だから、知識も薄いし、大した議論はできないのだけれど、円を見渡すと、自分と全く違うバックグラウンドで育ち、個性あふれる大好きな友達達がいた。彼らが熱心にそれぞれの思いを語り、ぶつけあっていたり、静かだけど実はすごく面白いアイディアを持っている隣の子を話させてみたり、その光景を見るたびに僕はただただ「あぁこれがISAKだよなぁ〜」と思っていた。あれから2年間、土から1cmくらいしか伸びていなかったみんなの芽は、ニョキニョキと育っていた。芽がぶっとくなった人もいれば、形が変わった人もいた、よくわからない方向に伸びていった芽もあった。でも、全てがイキイキと育っていた。芽の成長を見られた3年間は本当に幸せであった。

 

二つ目は、後輩の成長を見ること。最近一個下、二個下の後輩達が、むくむくと成長し、目が輝いていく姿が見れて幸せである。この1年間でふと、この子喋りすぎで、なんで僕の話聞こうとしないんだと思ったことがあった。しかし、自分がG10の頃を思い出して、後輩の話を聞けることに幸せを感じた。思えば、G10の頃の僕はただただ話していてばっかりだったのにも関わらず、G12の先輩達はいつも笑顔で僕のことを眺め、暖かい言葉をかけてくれた。後輩が自分の好きなことを見つけて没頭し、目を輝かせて語っている姿を見ると、心から喜びが溢れる。ISAKに来てから、人の目のキラキラが自分にも伝染するようになった。幸せそうに何かに没頭している人を見ると、自分もワクワクしてくるのだ。なぜだろう。。。

 

三つ目は、KACでスタッフの方達や先生と話していた時間。KACは、ISAKの事務所で、職員室や事務スタッフの方々が働いている場所である。僕はそのKACに自分の話をしにほぼ毎日通っていた。まず午前中の中休み、そっから授業がないコマ、授業後、時間ができると最近考えていること、自身の恋愛事情、卒業生との交流などについてをお話しに。先生も、スタッフの方も、みんないつも笑顔で話を聞いてくれる。常にありのままの僕を受け止めてくれる大人の方々との時間は、ついいつも強がってしまう僕の心の拠り所だった。大学に行ったら、もうあの空間が毎日ないのだと思うとなんだか心細いなぁ〜。みなさんにもお伝えしたが、僕は初任給を得たら、スタッフの方々、お世話になった先生達にお寿司をご馳走したい。何年後になるのかなぁ。

 

四つ目は、「ISAKを盛り上げる」動きが学校全体で起き始めることを見れたこと。自分がISAKに入学したばかりの頃、ISAK全体の雰囲気は暗かった。みんなが期待していたものとは違うISAKに失望し、批判をし、行動することを諦めていた。だから、僕がG10の頃、ISAKを変えるべくして行動を起こしたときは、すごく不安だった。みんな言葉では支えてくれだけど、共に行動を起こしてはくれなかった。しかし、最近は多くの後輩たちが、それぞれ、ISAKがISAKの理念を体現する学校になるには自分たちは何ができるか?と考え、行動を起こしている姿を見るようになった。「もう1人じゃないんだ」という安心感と、「やっぱりみんなでISAKをぶち上げて行くのがISAKだよな」と嬉しい気持ちになった。

 

ISAKは最高の仲間達、後輩達、スタッフの方々、先生方に囲まれた、素晴らしい3年間だった。

「挑戦」、「初めの一歩を踏み出す」ことがいかに重要かを失敗、成功体験を通じて学ぶことができた。

 

これからのISAKにはどんな人達が集まってくるのだろうか?これからのISAKも楽しみでしかたがない!

 

ISAKがこれからも幸せと情熱に溢れたコミュニティでありますように

 

神田の花巻