昔に終わってしまった恋なのにふとした時に思い出したり、心の中から消えない思い出がある。
今は幸せなはずなのにふとしたことがきっかけで蘇ってくる。
青春時代の甘酸っぱい恋や大人になってからの恋愛、人によって色々あるでしょう。
みなさんにもなぜか思い出してしまう過去の恋があると思います。
今回は、そんな過去の恋を抱えて生きた女性のちょっと切ない恋の話です。
その女性の名前は、藤蔭静樹(ふじかげ・せいじゅ)といいます。
明治時代生まれの舞踊家です。
新潟県に生まれ、寺子屋で読み書きを習い、13歳で舞妓になりました。
静樹の容姿は大変美しく、今でも「明治の美女」として紹介されることも多い女性です。
そんな彼女を虜にしたのは、作家の永井荷風(ながい・かふう)でした。
新進気鋭の作家と美しい芸妓の静樹。
そんな2人は、出会ってすぐに恋に落ちて、その数年後には夫婦となったのです。
ですが、当時慶応大学の主任教授もしていた荷風は芸妓との結婚に周囲から反対されていました。
それに加えて荷風は女性から大変にモテたため、浮気を繰り返してしまいます。
そうして2人の結婚生活は、たった1年半で終わってしまうのです。
浮気に怒って飛び出した静樹は何度も別の恋をしますが、その後も荷風を忘れられませんでした。
離婚後も、くっついたり、離れたりしていました。
「荷風と離れて、馬鹿をした」というのが彼女の口癖で、その後悔は85歳で亡くなる時まで続いたのです。
もう一方の荷風のほうも同じのようでした。
荷風は静樹と離婚後は、誰とも結婚せず、生涯独身を貫いたそうです。
79歳で永井荷風が亡くなったあと、藤蔭静樹は、彼の命日である30日に決まってカツ丼を食べるようになったといいます。
なぜなら、彼が生前最後に口にしたものであると聞いたからです。
別れてもなお彼女の心の中には、ずっと荷風が住んでいたのです。
結ばれることが出来なかったけれど、共に人生を歩むこともできなかったけれど、一生忘れられない人がいた。
切ないですがそんな人と出会えたということだけでも、幸せなのかもしれません。
ちょっと切ない素敵な恋の話ですが、そんなに想いあっていたのなら幸せになって欲しかった、という思いもあります。
ロミオとジュリエット然り悲恋というものは心を打つ話が多いです。
それでも現実では悲恋にならず幸せに恋を実らせて欲しいと思います。
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