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  ジョージ・ミッチェル

 

アメリカがサウジアラビアの国債保有額を公表してワシントン・リヤド密約をなぜ破ったのかは、それは後のブログで解説します。少し話がそれますが、このブログではアメリカで起こった「シェール革命」について説明します。

石油・ドル本位制といわれるほどドルの力は強くなりましたが、アラブ諸国に石油を依存していることにかわりはなく、関係が悪化し裏切られてドルが石油以外の通貨で売られる可能性もありました。なのでアメリカはアラブ諸国の石油への依存をやめるために早くから自給を模索してました。
太古の海や大河の河口では、水中のプランクトンの死骸や枯れた藻類などが沈んで積み重なり、バクテリアによって分解されて腐食物質に変わります。腐食物質を含んだ堆積物がさらに地下深くに埋没すると、数千万年から数億年にわったて地熱や圧力で化学変化して石油や天然ガスができます。頁岩(けつがん)という、泥が固まった岩石のうち、薄片状に剥がれ易い性質を持つ岩石があります。この頁岩からなるシェール層と呼ばれる地層が世界各地にあり、地層にはシェールオイル、シェールガスという膨大な石油や天然ガスが閉じ込められいることが1821年にわかりました。

しかしシェール層は在来の油田よりも深い2000メートルから4000mにあり、石油や天然ガスの採掘は費用や技術上の問題から商業的に見合わず進みませんでした。アメリカでは1977年4月、突如ジミー・カーター大統領がテレビでアメリカ国内の天然ガスが不足していると演説します。

 

 

ガス会社であるミッチェル・エナジーを創業したジョージ・ミッチェルさんも、自社の主要なテキサス州のガス田では従来の工法で天然ガスが採れなくなることがわかり、会社の死活にかかわる問題となりました。ミッチェルさんは1980年頃から既に60歳を過ぎていたにもかかわらず、会社の生き残りを図るため、長い年月をかけてシェール層への掘削に乗り出します。

 

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  シェールガスの成功

 

ミッチェルさんは石油メジャーとは何の関係もない人で、一代でミッチェル・エナジーをテキサス州北部最大のガス会社に育てあげた人でした。当時、シェール層から石油やガスを採って商業的に成功させるなど不可能であるとされ、ミッシェルさんは周囲の人々から「カネをドブに捨てるのか」と呆れられたといいます。

しかしミッチェルさんはあきらめずに開発を続けます。ミッチェル・エナジーは大企業でもあり、アメリカ天然ガスパイプライン会社というパイプラインを保有、管理し天然ガスを送る会社と高い価格で取引きできる長期契約を結んでいました。不動産業も行っており、途中で長期契約の改定や天然ガス価格の低下などの困難もありましたが、会社に豊富な資金があったため大損する可能性の高い事業開発にも長期にわたって取り組むことができたのです。

石油やガスが存在する深い地層に液体を大量に流し込み、高い圧力をかけそれによって生じた人工的な割れ目により、石油やガスを流れやすくする「水圧破砕法」というものがありました。1947年に既にアメリカのカンザス州南西部で石油やガスの採掘にこの技術が初めて利用されましたが、非効率的で大変な費用がかり、攻撃対象に着火させて焼き払う兵器である焼夷弾の材料となる液体と砂を混ぜたものが利用され、採掘は大変危険でした。オイルショック後の1976年にアメリカ政府がこの技術を研究していましたが、従来の浅い、油田やガス田での採掘を増やすための技術であり、深いシェール層の採掘には不向きであるというのが常識でした。

しかしミッチェルさんは水圧破砕法を改良、液体には水と砂と化学物質を使って利用することを考えます。ミッチェルさんを支援する会社も出てくるようになり、優れた水圧破砕法の技術の提供を受けることができました。ミッシェルさんは人工的な割れ目ができる際に発生する地震波を解析し、割れ目の広がり具合を計測して、石油やガスを効率的に掘削する「マイクロサイスミック」という既存技術も活用します。

 

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それに意外にもアメリカ政府がミッェルさんを支援に乗り出します。エネルギー省はミッシェルさんに補助金を出し、政府は税金を安くしてくれました。エネルギー省管轄のサンディア国立研究所は、マイクロサイスミックで計測するオペレーターを支援するためコンピューターソフトウェアを提供します。

 

 

こうして1998年にシェールガスとシェールオイルの商業的になんとか見合う採掘にようやく成功します。さらなる技術の向上を目指したミッチェルさんは2002年にミッチェル・エナジーをデボン・エナジーという石油・ガス会社に売り渡します。デボン・エナジーは70年代に開発されていた地層に対して垂直に採掘するのではなく、水平にして地層への接触面積が増やして、石油やガスが採り出しにくい頁岩からもまとまった量の採掘が可能にする「水平坑井」という技術を持っており、ミッチェルさんは水圧被砕法と水平坑井を組み合わせて、マイクロサイスミックの観測井戸と生産井戸を利用する工法を2004年に開発します。
ちょうど2004年には中国の経済発展などで世界中で石油の需要が高まり、石油価格が高騰を始めると、状況も大きく変化しました。石油価格に連動していた天然ガス価格も大きく上昇し、シェールガスの生産で大きな利益が上げられるようになります。

こうしてミッチェルさんが考案した工法を採用する事業者が数多く現れ、シェールオイルとシェールガス生産は飛躍的に伸びていきます。この状況は「シェール革命」といわれました。

 

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  オーブリー・マクレンドン

 

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ミッチェルさんが考案した工法を採用する事業者の中で。とくに派手な活躍で注目されたのは石油会社の社員から身を起こし、1989年に出身地のオクラホマ州でチェサピーク・エナジーを設立したオーブリー・マクレンドンさんでした。マクレンドンさんは倒産や破産の危険性が大変高い方法で莫大な資金を調達。この資金を惜しげもなくシェールガス事業に投入して成功し、チェサビーク・エナジーはアメリカ第2位の天然ガス会社となりました。

マクレンドンさんも億万長者となって、ワシントン州シアトルのNBAバスケットチームであるスーパーソニックをサンダーと言う新チームに変えてオクラホマシティに移転させることに尽力したり、オクラホマ州の住民生活や教育の質の向上を目的とした数多くの慈善活動を積極的も行い、シェールガスの先駆者ともいわれました。

しかし危険極まりない資金調達にアメリカの経済誌フォーブスはマクレンドンさんを「アメリカで最も無謀な億万長者」と呼び、多くの人からギャンブラーように言われましたが、本人は「私は自分のことをギャンブラーだとはまったく思っていない。ギャンブラーとは、ただ目を閉じてサイコロを振る人のことだ。私はそんなことはしない。」と否定していました。

ところが2012年6月にロイター通信でマクレンドンさんが従業員に自分の家を修繕など会社の業務とは関係のない仕事をさせたり、会社のお金を私的に使ったり、会社の飛行機を私的な旅行に利用したと、報じられ、多くの株主が反発、2013年4月ににチェサピーク・エナジーを追われてしまいます。

そのうえオクラホマ州北西部の石油・ガスの採掘のために地権者が貸す土地の入札で、地権者に払う賃料が高くならないように、競争入札の参加企業同士でどの会社がどのくらいの賃料で入札するかを前もって決める談合を行い、採掘の利益を談合した企業同士で分け合うという不正をしたとして、談合を禁じている連邦法であるシャーマン法違反の容疑で2016年3月にオクラホマ州西部地区の連邦地方裁判所の大陪審に起訴されます。

ちなみにアメリカでは一審の連邦地方裁判所と多くの州地方裁判所に一般市民から無作為に選ばれた陪審員で構成された大陪審と小陪審という機関があります。16人から23人の陪審員で被疑者を違法行為や犯罪で起訴するのに十分な証拠があるかどうかの判断をするのが大陪審。大陪審の起訴された被告の事件を審理し有罪か無罪の評決するのが小陪審です。小陪審は大陪審よりも陪審員の人数が少なくなります。

マクレンドンさんは有罪なら最高で禁錮10年と違反1件につき100万ドル(約1億5367万円)の罰金刑が下される恐れがありました。マクレンドンさんは「前代未聞の誤りだ」と無実を主張しましたが、起訴された翌日に運転していた車が猛スピードでコンクリート橋の堤防に突っ込みむ単独の交通事故で死んでしまいました。

 

 

Y.H X(旧Twitter)

 

 

 

 

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